EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
モーゼス・マヒダ・スタジアム
© Blastworlddbn / CC0
FIG. 01 — Q175289

モーゼス・マヒダ・スタジアム Moses Mabhida Stadium

南アフリカ・ダーバンの海辺に立つ、2010 FIFAワールドカップの会場となったスタジアム。gmp(フォン・ゲルカン・マルク・アンド・パートナーズ)の設計で、競技場をまたぐ高さ約105メートルの大アーチを象徴とする。

FIG. 02 — Location29.8290° S 31.0303° E
南アフリカ クワズール・ナタール州 ダーバン
§1 — 概要

概要

南アフリカ共和国クワズール・ナタール州ダーバンの、インド洋に面したスポーツ地区に立つ多目的スタジアムである。2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会の会場のひとつとして建設された。収容は約5万5千人(拡張時最大約7万5千人)。反アパルトヘイト運動の指導者モーゼス・マヒダにちなんで名付けられた。設計はドイツのgmp(フォン・ゲルカン・マルク・アンド・パートナーズ)、屋根の構造はシュライヒ・ベルガーマン・パートナーが手がけた。競技場をまたいで高くそびえる白い大アーチが、ダーバンの新たな象徴となっている。

歴史

2006年、ダーバン市は収容7〜8万人規模で「都市の象徴となる」スタジアムの国際設計競技を実施し、32社の南アフリカ企業からなるイボラ・レツ・コンソーシアムが、ドイツのgmpおよびシュライヒ・ベルガーマン・パートナーと組んでこれを制した。2007年ごろから建設が進められ、2009年11月に完成、同月に最初の公式試合が行われた。翌2010年のワールドカップでは「ダーバン・スタジアム」として準決勝を含む7試合を開催している。既存のキングス・パーク一帯を敷地とし、海と都市を見はるかす高台のプラットフォーム上に築かれた。

建築的特徴

最大の特徴は、競技場全体をまたいで架かる高さ約105メートル・スパン約340メートルの鋼製アーチである。アーチは南側で二股に分かれて地上に降り、都市から続く長い軸線(リニアパーク)の入口を形づくる。屋根は、このアーチからケーブルで吊られたPTFE(テフロン被覆ガラス繊維)の膜構造で、観客席の大部分を覆う。アーチ頂部の展望台(スカイデッキ)へはケーブルカーで上ることができ、市街とインド洋の眺望が開ける。鋼アーチ・ケーブル・軽量な膜を組み合わせたこの屋根は、長スパン構造の独創的な解法として、構造技術者シュライヒ・ベルガーマン・パートナーの代表作のひとつに数えられる。座席は海辺の景観にちなみ、下段の濃色から上段の淡色へと階調をつけた配色がなされている。

意義・現在

モーゼス・マヒダ・スタジアムは、2010年ワールドカップに際して南アフリカ各地に築かれた新スタジアム群のなかでも、構造そのものを造形とした最も象徴的な作例である。大会後も、サッカーやラグビー、コンサートに加え、アーチを使ったバンジージャンプやジップラインなど観光・レジャーの拠点として活用されている。アーチが描く弧は南アフリカ国旗のY字形になぞらえられ、また多民族都市ダーバンにおいて和合の「虹」としても受け止められており、競技施設の枠を超えた都市のランドマークとなっている。

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LAST EDIT — 2026.06.26
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