EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
モンジュイック通信塔
© Thomas Ledl / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q202530

モンジュイック通信塔 Montjuïc Communications Tower

Torre de Comunicaciones de Montjuïc

バルセロナのムンジュイックの丘に建つ通信塔。サンティアゴ・カラトラバの設計により、1992年バルセロナ五輪の放送中継用として1989〜92年に建設された、高さ136メートルの白い塔である。

FIG. 02 — Location41.3642° N 2.1506° E
スペイン カタルーニャ州 バルセロナ
§1 — 概要

概要

モンジュイック通信塔(Torre de Comunicacions de Montjuïc)は、スペイン・バルセロナのムンジュイックの丘に建つ高さ136メートルの電気通信塔である。1992年のバルセロナ・オリンピックに合わせ、放送中継のために建設された。設計者の名から「カラトラバの塔」とも呼ばれ、五輪公園を象徴するモニュメントとして知られる。

歴史

塔は通信事業者テレフォニカの依頼により、五輪の競技中継を担う施設として計画された。スペインの建築家サンティアゴ・カラトラバが設計を手がけ、1989年から1992年にかけて建設された。完成は大会開幕に間に合い、その姿はしばしば聖火を掲げる走者になぞらえて語られる。以後、オリンピック・リング地区の景観を構成する恒久施設として維持されている。

建築的特徴

塔は、聖火を掲げる人体をかたどったと説明される動的な造形をもつ。傾いた白い支柱が天へと弧を描き、そこからアンテナを支える本体が伸びる構成は、構造をそのまま彫刻的な表現へと昇華させるカラトラバの作風を端的に示す。基部はガウディに由来するトレンカディス(砕いたタイル片によるモザイク)で覆われ、土地の手仕事の伝統を現代建築に接続している。塔はその向きゆえに巨大な日時計としても働き、足下の広場に時刻を示すよう設計されている。

意義・現在

モンジュイック通信塔は、インフラ施設を都市の記念碑へと押し上げた1990年代の代表例である。機能一辺倒になりがちな通信塔に明確な造形言語を与えた点で、カラトラバの国際的評価を高めた初期の重要作に数えられる。周囲にはオリンピック・スタジアムやサン・ジョルディ・スポーツ宮殿が並び、塔はこの一帯を見晴らす目印となっている。バルセロナ五輪が残した都市遺産のひとつとして、丘の上から街を見下ろす姿は今も市の風景に溶け込んでいる。

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LAST EDIT — 2026.06.27
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