イスラエル、アシュドッドにある考古博物館。古代の海洋民ペリシテ人の文化に特化した世界唯一の館で、1990年に同市初の博物館として開館した。事故で亡くなった女性コリーヌ・ママネを記念して名づけられている。
§1 — 概要概要
ペリシテ人文化博物館(コリーヌ・ママネ・ペリシテ人文化博物館)は、イスラエル南部地区の都市アシュドッドにある考古博物館である。古代の海洋民であるペリシテ人の文化に特化した、世界で唯一の博物館として知られる。アシュドッドは、ペリシテ人が築いた五都市(ペンタポリス)の一つであった。
歴史
博物館は1990年に、アシュドッド初の博物館として開館した。当時の市長アリエ・アズライの主導のもと、モロッコ出身のママネ家の寄贈によって設立された。館名は、1984年にフランスでの事故で亡くなった同家の女性コリーヌ・ママネを記念して名づけられている。2013年には大規模な改修と拡張が行われ、約140点の遺物に加えてデジタル展示が導入された。
建築的特徴
博物館は地中海に近いロヴァ・ダレット地区に建つ近代的な施設で、複数の階にわたって常設展示と企画展示を展開する。展示は遺物の陳列にとどまらず、「ペリシテ人の饗宴」と題した体験型の趣向なども取り入れている。2013年の改修にともなう内装はギル・ミンスターらの建築家が手がけたが、1990年の当初の建物については、設計者が明確には伝わっていない。建物そのものよりも、その内容によって特徴づけられる博物館といえる。
意義・現在
「ペリシテ人(フィリスティン)」という語は、今日の英語では「教養のない者」を指す口語として用いられることもあるが、考古学的に見れば、ペリシテ人は洗練された物質文化を有する人々であった。本館は、聖書において「敵」として描かれてきたこの民を、考古学の視点から捉え直す場となっている。収蔵品の中核は、アシュドッド近郊の遺丘(テル)からの出土品によって構成されている。