ネプトゥーンの泉 Neptunbrunnen
ベルリン中心部に置かれたネオ・バロックの大噴水。彫刻家ラインホルト・ベーガスが1891年に完成させ、海神ネプトゥーンとプロイセンの四河川の寓意像が水盤を囲む。
§1 — 概要概要
ネプトゥーンの泉(独: Neptunbrunnen、本来は「城の泉」を意味するシュロスブルンネン)は、ドイツ・ベルリン中心部のミッテ区に置かれた大噴水である。四つ葉形の花崗岩の水盤と五体の青銅像からなり、完成当時はベルリン随一の規模を誇った。彫刻家ラインホルト・ベーガスの代表作として知られる。
歴史
構想は、王宮前広場に記念碑的な噴水を据えようとしたカール・フリードリヒ・シンケルの提案に遡る。イタリア旅行から戻った若きベーガスがこの着想を受け継ぎ、ローマのナヴォーナ広場の噴水群やヴェルサイユのラトナの泉など、イタリア・フランスのバロックの名作を範に1870年代に複数の案を練った。そのうちの一案がベルリン市からヴィルヘルム2世への献上品として選ばれ、1888年から制作が進み、1891年11月に王宮前で除幕された。1951年の旧王宮の解体に伴って撤去され、1969年にテレビ塔のふもと、赤の市庁舎と聖マリア教会の間の現在地へ移された。
建築的特徴
中央の岩座に三叉戟を掲げる海神ネプトゥーンが座し、その足元を水を吐く海の生き物が囲む。水盤の縁には、当時のプロイセンを代表する四つの河川――エルベ、ライン、ヴィスワ、オーデル――を擬人化した四体の寓意像が配される。各像は果実や漁網、木材、毛皮といった流域の産物を伴い、見る者に寓意を読み解かせる。動勢に富む人物像と豊かな水の演出は、バロックを範とするネオ・バロック彫刻の典型を示している。
意義・現在
頂点の三叉戟までの高さは約10メートルに及び、世界有数の規模をもつ造形噴水に数えられる。旧王宮がフンボルト・フォーラムとして再建された現在、噴水を元の王宮前広場へ戻す構想も議論されている。ベルリンの記念物に指定され、市民や観光客に親しまれる都市の名所の一つである。