デンマーク、シェラン島の都市ロスキレに建つ福音ルーテル派の大聖堂。12世紀後半…
ベルリン最古の教会。1230年頃に起源をもつ煉瓦造のホール教会で、双塔の現在の姿は1876–78年の新ゴシック改修による。第二次大戦で破壊され、1980年代に再建された。
§1 — 概要ニコライ教会(Nikolaikirche)は、ドイツの首都ベルリンの歴史的中心部ミッテに建つ教会堂で、街に現存する最古の教会である。シュプレー川左岸、復元された中世風の街並みが広がる「ニコライ地区(Nikolaiviertel)」の核に位置する。商人の守護聖人である聖ニコラウスに捧げられたこの教会は、ベルリンという都市そのものの起点を示す建築として知られる。
最初の聖堂は1230年頃、野石を積んだ後期ロマネスク様式の三廊式バシリカとして建てられた。尖頭アーチをもつ西側の塔基部はこの時期の遺構を伝える。13世紀末には身廊が早期ゴシックの煉瓦造へと改められ、1380年の大火を経て、15世紀後半までに後期ゴシックのハレンキルヒェ(ホール教会)として大規模に建て替えられた。周歩廊をもつ内陣(周歩廊付きの後陣)はこの時期の達成である。
現在の外観を決定づけたのは19世紀の改修である。1876年から1878年にかけて、ベルリンの都市建築官ヘルマン・ブランケンシュタインが中世の下部構造を保存しながら新ゴシックの双塔を架し、教会に高さ約84メートルの双塔の輪郭を与えた。1938年に教会としての用途を解かれたのち、1944年の空襲で塔・屋根・内陣の天井が崩落し、戦後の放置でさらに荒廃した。東ドイツ期の1980年から1987年にかけて、ベルリン建都750年記念事業として再建され、1987年に博物館として再開した。1995年からはベルリン市立博物館財団の管理下にある。
建物は、各時代の建築が層を成して積み重なっている点に最大の特徴がある。西側の塔基部には創建期ロマネスクの野石壁が残り、身廊と内陣は後期ゴシックのホール教会形式をとる。三廊の高さがほぼ等しいホール形式により、内部は広く均質な空間が生まれている。リブ・ヴォールトが天井を覆い、周歩廊を巡らせた内陣が祭室を囲む。外観を支配する新ゴシックの双塔は19世紀の付加であり、煉瓦造の身廊部と灰色の石造西構との対比が、この建物の重層的な来歴を視覚的に物語る。
ニコライ教会は、単独の様式作品としてではなく、ベルリン800年の都市史を一身に刻んだ建築として価値をもつ。創建期の野石、中世のホール教会、19世紀の様式的再構成、戦災と再建という近代の経験までが、一棟の中に読み取れる。現在は市立博物館の展示施設として公開され、コンサート会場としても用いられている。隣接するニコライ地区の復元街区とあわせ、ベルリンの起源を体感できる場となっている。