1900年のパリ万博のために建てられた美術館。シャルル・ジローの設計によるボザール様式の代表作で、現在はパリ市立美術館として公開されている。
§1 — 概要概要
プティ・パレは、パリ8区、シャンゼリゼ通りに近いウィンストン・チャーチル通り沿いに建つ美術館である。1900年のパリ万国博覧会のために、向かいのグラン・パレとともに建設された。現在はパリ市立美術館として、市の収集する絵画・彫刻・工芸を収め、無料で公開されている。
歴史
1894年の設計競技を経て、建築家シャルル・ジローが設計者に選ばれた。工事は1897年10月に始まり、1900年4月に竣工した。万博の美術部門の会場として開かれたのち、1902年にパリ市立美術館として恒久的な施設となった。1975年にはフランスの歴史的記念物に登録されている。
建築的特徴
半円形の中庭を囲む平面をとり、列柱とアーチ、豊かな彫刻で飾られた壮麗な外観は、19世紀末のフランス建築界を主導したボザール様式を代表する。古典の語彙を自在に組み合わせた折衷的な意匠の一方で、構造には当時新しかったアネビク方式の鉄筋コンクリートが用いられ、大きな展示空間と採光を可能にしている。正面を飾る金色の錬鉄製の門扉や、中央のドーム、半円形の庭に面したガラスの回廊も見どころで、内部の天井や壁面は寓意画によって華やかに装飾されている。
意義・現在
プティ・パレは、グラン・パレやアレクサンドル3世橋とともに、1900年のパリを飾った華やかな建築群の一角をなす。古典様式の装飾性と、鉄筋コンクリートという近代技術が同居する点で、世紀転換期の建築を象徴する作品といえる。所蔵品は古代から20世紀初頭に及び、現在はパリ市の美術館連合パリ・ミュゼに属する。万博の仮設建築の多くが姿を消すなか、恒久施設として残り、今日まで市民に親しまれている。