ボザール様式
Beaux-Arts年代
1830 — 1920
地域
フランス(国際的に波及)
時代
新古典・歴史主義
ボザール様式(Beaux-Arts、ボザール建築とも)は、19世紀から20世紀初頭にかけて、パリの国立美術学校(エコール・デ・ボザール)の教育を通じて広まった、折衷的な古典主義の建築様式である。その名は、この学校(「美術(ボザール)」の意)に由来する。
ボザールは、特定の一様式というよりも、古代ギリシア・ローマの古典、ルネサンス、バロックといった過去の様式を学び、それらを自在に組み合わせて壮麗な建築をつくりあげる、ひとつの手法であり規範であった。左右対称の明快な構成、軸線に沿った堂々たる動線、大階段、列柱やドーム、そして豊かな彫刻装飾を好む。建物はしばしば宮殿のように荘重で、記念碑的な性格をおびた。
19世紀後半のパリでは、オペラ座(パレ・ガルニエ)やグラン・パレ、プチ・パレ、そしてガール・ドルセーといった建物が、この様式で築かれた。エコール・デ・ボザールには各国から学生が集まり、ボザールの理念は国境を越えて広まった。とりわけアメリカ合衆国では、ニューヨークのグランド・セントラル駅や公共図書館など、都市の記念碑的建築の多くがこの様式で建てられ、「アメリカン・ルネサンス」と呼ばれる隆盛を生んだ。
やがて20世紀に入り、装飾を排する近代建築(モダニズム)が台頭すると、過去の様式に依拠するボザールは時代遅れと見なされ、その勢いを失っていった。しかし、近代以前の都市景観を形づくった様式として、その堂々たる建築は今も各地に残されている。
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