ニューヨーク市ブルックリンに建つ全米有数の美術館。マッキム・ミード・アンド・ホワイトの設計になるボザール様式の記念碑的建築で、1895年に着工し、1897年に最初の翼が開館した。
§1 — 概要概要
ブルックリン美術館は、ニューヨーク市ブルックリン区に位置する全米有数の規模を誇る美術館である。古代エジプト美術やアメリカ美術を中核とする50万点規模の収蔵品で知られ、その建築はマッキム・ミード・アンド・ホワイトが手がけたボザール様式(Beaux-Arts)の記念碑的作品として名高い。
歴史
館の起源は1823年に設立されたブルックリン徒弟図書館にさかのぼる。1843年にブルックリン芸術科学協会と統合され、広く公衆に開かれた教育機関として構想された。現在の建物は、1893年の設計競技でマッキム・ミード・アンド・ホワイトが指名されたことに始まる。西翼の工事は1895年に着工し、1897年に最初の部分が開館した。当初の構想は完成形の約4倍に及ぶ壮大なもので、四つの中庭を擁する世界最大級の美術館を目指していたが、実際に実現したのはその一部にとどまった。その後も建物は20世紀を通じて数度にわたり増築されている。
建築的特徴
正面は古典主義の語彙で構成され、イオニア式の列柱とペディメント、寓意的な彫刻群が荘重なファサードをかたちづくる。かつては主階へ至る大階段が正面を飾っていたが、1930年代に撤去され、2004年にはガラス張りの円形エントランス・パヴィリオンが加えられて、歴史的な躯体と現代的な導入部が対照をなす構成となった。内部は明快なオーダーに基づく広間と展示室が積層する。
意義・現在
本館は、19世紀末アメリカの公共建築を牽引したボザール様式と「シティ・ビューティフル」運動の理想を体現する建築である。米国国家歴史登録財およびニューヨーク市ランドマークに指定され、地域に根ざした美術館運営の先駆けとしても評価される。とりわけ三千年以上にわたる古代エジプト美術の収蔵品は全米でも有数の質を誇り、館の国際的な評価を支えている。今日も古代美術から現代美術までを横断する展示によって、活発に公開され続けている。