ローカー・パーク Roker Park
イングランド北東部サンダーランドにあったサッカー競技場。1898年に開場し、サンダーランドAFCの本拠として1997年まで用いられた。アーチボルド・リーチが主要スタンドを設計し、最盛期には7万人を超える観客を集めた。
§1 — 概要概要
ローカー・パーク(Roker Park)は、イングランド北東部タイン・アンド・ウィアのサンダーランド、ローカー地区にあったサッカー競技場である。1898年に開場し、サッカークラブのサンダーランドAFCが本拠として用いた。スタジアム建築を専門としたスコットランドの技師アーチボルド・リーチ(Archibald Leitch)が主要なスタンドを手がけたことで知られる。
歴史
競技場は1898年9月に開場し、以後ほぼ一世紀にわたってサンダーランドAFCの本拠であり続けた。観客需要の増大に応じて段階的に拡張され、1929年にはリーチの設計による主スタンド(メインスタンド)、1936年にはクロックスタンドが加わって、四方を観客席(グランドスタンド)が囲む大競技場へと姿を整えた。最盛期には7万5千人を超える観客を集めた記録が残る。しかし全席着席化への対応が難しく、クラブは1997年に新設のスタジアム・オブ・ライトへ移転し、ローカー・パークは解体された。跡地は住宅地となり、街路名にかつての各スタンドの名が受け継がれている。
建築的特徴
ローカー・パークは、長方形のピッチを四つのスタンドが囲む、リーチが各地に手がけた競技場に共通する構成をとっていた。鉄骨と組積で組まれたスタンドは、屋根を支える鉄骨トラスや手すりの意匠に、工場建築で培われた合理的な構法を競技場へ応用したリーチの作風をよく示していた。装飾を抑え、観客の収容と視認性を最優先する設計は、20世紀前半のイギリスのサッカー競技場を特徴づける典型であった。
意義・現在
ローカー・パークは、リーチが英国各地に残した一連の競技場の一つであり、近代スタジアム建築の標準を体現する事例として記憶されている。建物そのものは現存しないが、跡地の住宅地に残る街路名や記念物が、長くサンダーランドの人々を熱狂させた競技場の所在を今に伝えている。