セルハースト・パーク Selhurst Park
ロンドン南部クロイドンに建つサッカー専用スタジアム。1924年開場、設計は名スタジアム建築家アーチボルド・リーチ。クリスタル・パレスFCの本拠で、開場時の姿を多く残す古い競技場の一つ。
§1 — 概要概要
セルハースト・パークは、ロンドン南部、クロイドン区のセルハーストに建つサッカー専用スタジアムである。プレミアリーグのクリスタル・パレスFCの本拠地であり、1924年の開場以来、同クラブの不動のホームグラウンドであり続けている。設計は、20世紀前半のイギリスでサッカー競技場の設計を数多く手がけたアーチボルド・リーチによる。ピッチを四方のスタンドが囲む、伝統的なイギリスのフットボール・グラウンドの典型である。
歴史
クリスタル・パレスFCは第一次世界大戦により本拠を失い、恒久的な拠点を長く探していた。1922年、ロンドン・ブライトン・アンド・サウス・コースト鉄道から旧煉瓦工場の跡地を2,750ポンドで購入し、スタジアムの建設に着手した。設計はスコットランド出身のリーチが担い、施工は彼が常用したハンフリーズ社が約3万ポンドで請け負った。1924年8月30日、ロンドン市長の臨席のもとで開場し、こけら落としではクリスタル・パレスがザ・ウェンズデー(現シェフィールド・ウェンズデー)に0対1で敗れた。開場時には、ストライキの影響でメインスタンドが未完成のまま供用された。1926年にはイングランド対ウェールズの国際試合、1948年にはロンドン五輪の競技も開催された。
建築的特徴
設計者リーチは、アイブロックス、グッディソン・パーク、ヴィラ・パークなど、イギリス各地の名だたる競技場を手がけた当代随一のスタジアム設計者であった。セルハースト・パークも彼の標準的な配置計画に従い、ピッチに迫る四方のスタンドという構成をとる。1924年開場のメインスタンドは、赤煉瓦の外壁と鋼トラスに支えられた急勾配の屋根をもち、リーチの木造の骨組みを今日まで残している。その後、ホルムズデール・スタンドの建て替え(1995年)など各時代の改修が重ねられ、新旧の様式が混在する独特の構成となっている。
意義・現在
セルハースト・パークは、大規模な全面建て替えを経ずに現役で使われ続けている、プレミアリーグでも古い部類のスタジアムである。クリスタル・パレスの本拠であるほか、過去にはチャールトン・アスレティック(1985〜1991年)やウィンブルドン(1991〜2003年)も間借りした。熱量の高い観客の雰囲気で知られ、ロンドン南部の地域の象徴ともなっている。近年は、メインスタンドの建て替えを含む大規模な改修計画が進められている。