上海環球金融中心 Shanghai World Financial Center
上海・浦東地区にそびえる高さ492メートル、101階建ての超高層ビル。米国のKPFが設計し、森ビルが開発した。最上部の台形の開口部が特徴で、1997年の着工後、アジア通貨危機による中断を経て2008年に完成した。
§1 — 概要概要
上海環球金融中心(Shanghai World Financial Center、SWFC)は、中国・上海市の浦東新区、陸家嘴の金融街に建つ超高層ビルである。高さは492メートル、地上101階を数え、オフィス、ホテル、展望台などからなる複合用途の塔である。アメリカの建築設計事務所コーン・ペダーセン・フォックス(KPF)が設計し、日本の森ビルが開発した。最上部に穿たれた巨大な台形の開口部によって、上海の天際線を特徴づける一棟となっている。
歴史
計画は1990年代初頭にさかのぼり、1997年8月に礎石が据えられた。しかし同年に始まったアジア通貨危機により、基礎工事を終えた段階で建設は中断する。2003年、森ビルは設計を見直して高さを492メートル・101階へと引き上げ(当初案は約460メートル・94階)、同年11月に工事を再開した。当初、最上部には風圧を逃がすための直径46メートルの円形の開口が計画されていたが、これが日章旗を思わせるとして上海市側から異論が出たため、2005年に台形の開口へと改められた。2007年9月に最高部まで到達し、2008年8月に開業した。完成時には屋上高で世界一を記録し、台北101に次ぐ世界第2位の高さの超高層ビルとなった。
建築的特徴
塔体は、四角い基部から立ち上がりながら二つの対角線に沿って絞られ、頂部で薄い板状のかたちに収束する。この単純で力強い輪郭を、設計者は「肩幅の広い建物」と呼んだ。最上部の台形の開口は、構造上は高所での風荷重を軽減する役割をもち、意匠上はこの塔の象徴となっている。構造は、外周のメガ柱と対角ブレース、ベルトトラス、そしてアウトリガーを組み合わせた複合構造で、強風と地震に抗する。外装は積層ガラスのカーテンウォールで覆われ、外からは銀色に輝きつつ内部からは高い透明性を保つ。構造設計は、旧世界貿易センタービルを手がけたレスリー・E・ロバートソン・アソシエイツが担当した。
意義・現在
上海環球金融中心は、1990年の浦東開発宣言以後に出現した新都心・陸家嘴の発展を象徴する建造物の一つである。竣工当時は中国一の高さを誇ったが、2013年には隣接して建つ上海中心(上海タワー)に抜かれた。現在は、ジンマオタワー、上海タワーとともに三棟の超高層が隣り合う、世界でも例の少ない超高層クラスターを形成している。79〜93階に入るパーク・ハイアットや高層階の展望台は観光の拠点ともなり、台形の頂部は上海の現代を代表する景観として定着している。