バブの廟 Shrine of the Báb
イスラエル・ハイファのカルメル山中腹に建つ、バハーイー教第二の聖地。金色のドームを頂く廟で、バーブの遺骸を納める。東西の様式を融合した設計で知られ、段状庭園とともに世界遺産に登録される。
§1 — 概要概要
バブの廟(Shrine of the Báb)は、イスラエル北部の都市ハイファ、地中海を望むカルメル山の斜面に建つ聖堂である。バハーイー教の先駆者バーブ(1819–1850)の遺骸を納め、アッカのバハオラ廟に次ぐ第二の聖地とされる。金色のドームを頂く白い石造の建築で、山腹を階段状に下る庭園群の中心に位置する。
歴史
その位置は、1891年にバハオラが長子アブドル・バハに示したものと伝えられる。ペルシアで処刑されたバーブの遺骸は各地に秘匿されたのち、1909年にこの地の石造の墓廟へ納められた。当初の墓廟は、アブドル・バハが組織した六室からなる簡素な石造建築であった。1929年に部屋が増築され、1948年から1953年にかけて、上部構造となる列柱廊・太鼓・ドームが加えられて現在の姿となった。上部構造を設計したのはカナダ出身の建築家ウィリアム・サザーランド・マクスウェルで、金色のドームの完成を待たず1952年に世を去った。
建築的特徴
設計は、東方と西方の様式を意識的に調和させたところに特色がある。バラ色の花崗岩による列柱廊と古典的な比例は西欧の伝統に、尖頭のアーケードや装飾のモチーフは東方の伝統に由来する。18の窓をもつ太鼓(ドラム)の上に八角形を介してドームが載り、ドームは金色の陶製タイルで覆われる。第二次大戦後の物資難のなか、石材の多くはイタリアで刻まれて海路ハイファへ運ばれた。全体はハイファの街並みや港から遠望できる、都市の象徴的な景観をなす。
意義・現在
バブの廟は、近代に生まれた宗教の聖地として、また東西の造形を融合した20世紀の記念的建築として独自の位置を占める。2008年、周囲の段状庭園などとともに「ハイファと西ガリラヤのバハーイー聖地群」の一部として世界遺産に登録された。現在も巡礼と瞑想の場であり、夜間には庭園とともに照明で浮かび上がる。