EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

ペルシア建築

architecture of Iran
年代
地域
イラン高原(大イラン)
時代

ペルシア建築(architecture of Iran)は、イラン高原を中心とする地域で、古代から現代まで連綿と築かれてきた建築の伝統である。その歴史は数千年にわたり、無数の列柱が大空間を支えたアケメネス朝の宮殿ペルセポリスにさかのぼる。続くササン朝は、太いアーチと大ドームによる柱のない広間を生み出し(クテシフォンのターケ・キスラーなど)、方形の平面の上にドームを架けるスキンチの技法を発達させた。

イスラーム化以降のペルシア建築は、これらの遺産を礎に独自の成熟を遂げた。中庭の四方に大きな半屋外の広間(イーワーン)を開く「四イーワーン形式」のモスクが確立し、表面を青を基調とする彩釉タイルで覆う装飾が花開いた。サファヴィー朝の都イスファハーンに整えられたイマーム広場(ナクシェ・ジャハーン)と、それを囲むシャー・モスクやシェイフ・ロトフォッラー・モスクは、その到達点として名高い。

十字の水路で四分する庭園(チャハル・バーグ)はペルシアに源を持ち、「地上の楽園」を表す形式として広くイスラーム世界に伝わった。乾燥した気候に応える採風塔(バードギール)など、風土に根ざした工夫も発達している。

ペルシア建築の構法と美意識は、オスマン朝やティムール朝、そしてインドのムガル建築へと波及した。タージ・マハルに見られる四分庭園や球根状のドーム、イーワーン状の門、左右対称の構成にも、その系譜を読み取ることができる。古代から現代までを貫くこの伝統は、イスラーム建築全体の骨格を形づくった源流のひとつである。

ペルシア建築
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage