EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

ルイ16世様式

Louis XVI style
年代
1760 — 1792
地域
フランス
時代
バロック・ロココ

ルイ16世様式(Louis XVI style)は、フランス王ルイ16世の治世(1774–1792)前後に流行した、装飾・室内・家具の様式である。それまでのロココ(ルイ15世様式)の曲線的で非対称な奔放さに対する反動として現れ、ポンペイの発掘に象徴される古代ギリシア・ローマの再発見に触発された、直線的で端正な新古典主義の感覚を導入した。18世紀後半のフランスを中心に、ヨーロッパ各地の宮廷や上流の住宅へ波及している。なお、この古典回帰はルイ16世の即位に先立つ1750年代の「ギリシア趣味(グー・グレック)」にすでに芽生えており、ポンペイやヘルクラネウムの発掘がもたらした考古学的な関心が下地となっていた。王妃マリー・アントワネットの庇護のもとで装飾は一段と洗練され、宮廷の趣味を体現する様式となっていった。

形態の上では、直線と対称の回復、円柱やペディメント、卵鏃文・月桂樹・リボン・壺といった古典のモチーフ、浅い浮彫りによる繊細な装飾、抑制された色調が特徴となる。ロココの貝殻状のロカイユは姿を消し、幾何学的な枠取りと均整が画面を支配する。建築の外観そのものというより、内装・羽目板・家具・調度にもっともよく現れる様式であり、ヴェルサイユのプチ・トリアノン内部や各国の宮殿に設けられた「ルイ16世様式の間」がよく知られる。ブリュッセル市庁舎の18世紀の背面翼のような、古典主義的な増築にもこの系譜の感覚がうかがえる。様式史の上では、ロココを受け、フランス革命後の帝政様式(アンピール)へと展開する、新古典主義の宮廷的な局面にあたる。

ルイ16世様式
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage
親様式
古典様式
本様式
ルイ16世様式
隣接する様式