EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

簡約古典主義建築

Stripped Classicism
年代
1920 — 1950
地域
欧米
時代
近代モダニズム

簡約古典主義(ストリップト・クラシシズム)は、20世紀前半に展開した、古典主義建築を極度に簡素化した様式である。柱やペディメント、コーニスといった古典の構成要素や左右対称の規律、記念碑的な比例は保ちながら、繰り形や彫刻などの細密な装飾を削ぎ落とし、平滑で幾何学的な壁面へと還元する点に特徴がある。窓は規則的に整列し、入口はしばしば列柱や角柱で強調されるが、柱頭やコーニスは輪郭だけに抽象化された形をとることが多い。歴史主義の重厚さと近代建築の抽象性の中間に位置し、古典の威厳と現代的な明快さを両立させようとした。簡約古典主義は単一の運動というより、歴史主義と近代主義の双方に接する過渡的な傾向であり、国や建築家によって古典寄りにも近代寄りにも振れた。同時期のアール・デコやモダニズムと時期を重ね、しばしば相互に影響しあっている。1920年代から1930年代にかけて、官庁・銀行・記念建造物・発電所など、公共性や永続性を求められる大規模建築に好んで用いられ、各国の国家的建築にも採用された。一方で、その記念碑的で権威的な性格から、全体主義国家の威信を表す建築としても展開し、政治的な含意をめぐって評価が分かれることもある。代表的な作例には、ジャイルズ・ギルバート・スコットによるバタシー発電所やバンクサイド発電所(現テイト・モダン)のように、煉瓦の量塊に古典的な構成を与えた産業建築が挙げられる。装飾を排しつつ古典の骨格を残すその姿勢は、近代建築への移行期における一つの応答であった。

簡約古典主義建築
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage
親様式
古典様式
本様式
簡約古典主義建築
隣接する様式