名築が収録する公開済みの建物1,244件のうち、86件には構造家や技師が設計者とならんで結ばれている。結ばれた件数が最も多いのは英国のアラップの11件で、ドイツ…
ベルリンに建つ、ドイツ最大級のスタジアム。1936年のベルリン・オリンピックのために、ヴェルナー・マルヒの設計で築かれた。古代ギリシアに着想を得た石づくりの記念碑的な姿で知られ、改修を経て、今もサッカーや陸上の舞台となっている。
§1 — 概要ベルリン・オリンピアシュタディオンは、ドイツの首都ベルリンに建つ大スタジアムである。1936年のベルリン・オリンピックのために、建築家ヴェルナー・マルヒの設計で築かれた。石づくりの記念碑的な外観をもち、現在はドイツ最大級のサッカー・スタジアムの一つとして、ヘルタBSCの本拠地などに使われている。
このスタジアムは、1916年に予定されながら戦争で中止となったオリンピックのために、マルヒの父オットーが設計した旧ドイツ・スタジアムの跡地に建てられた。1936年大会の開催が決まると、ナチス政権はこれを国家の威信を示す事業と位置づけ、競技場を中心とする巨大な「帝国スポーツ施設(ライヒスシュポルトフェルト)」を整備した。建設は1934年から1936年にかけて行われた。1936年大会は、政権の宣伝の場とされた一方で、アメリカのジェシー・オーエンスが四つの金メダルを獲得したことでも歴史に刻まれている。第二次大戦をほぼ無傷で生き延びたのち、2000年から2004年にかけて、建築事務所gmpの設計で全面的に改修され、観客席を覆う屋根が架けられた。
オリンピアシュタディオンは、古代ギリシアの建築に着想を得た、石灰岩で覆われた記念碑的なスタジアムである。すり鉢状の客席の下半分は地中に沈められ、外周には角ばった石の柱が連なるコロネードが巡らされて、簡素で力強い古典の趣を示している。装飾を切り詰めた厳格な造形は、1930年代の簡約古典主義建築の典型といえる。2000年代の改修で、客席を取り巻くグランドスタンドの上には、白く透ける膜構造の屋根が架けられ(構造設計はシュライヒ・ベルガーマン・パートナー)、歴史的な石の躯体と、軽やかな現代の屋根とが対照をなしている。
オリンピアシュタディオンは、ナチス政権下に生まれたという出自から、今もさまざまな議論を呼ぶ建物である。同時に、その歴史をふまえて保存・活用されながら、2006年のワールドカップ決勝や国際的な陸上競技会の舞台となるなど、現代のスポーツとイベントの中心地であり続けている。
名築が収録する公開済みの建物1,244件のうち、86件には構造家や技師が設計者とならんで結ばれている。結ばれた件数が最も多いのは英国のアラップの11件で、ドイツ…