社会主義リアリズム
Socialist Realism年代
1932
地域
ソビエト連邦・東側諸国
時代
近代モダニズム
社会主義リアリズム(Socialist Realism)は、1930年代初頭にソビエト連邦で公式に採用され、その後東側諸国へ広がった芸術の様式・方針である。1932年に文学・美術の諸団体が国家の統制下に再編され、1934年のソ連作家同盟第一回大会で理念として定式化された。前衛芸術——とりわけ1920年代に隆盛した構成主義や抽象表現——を「形式主義」として退け、労働者・農民・兵士といった人民の生活と社会主義建設の理想を、誰にも分かりやすい写実的な形式で描くことを求めた。
建築・彫刻の領域では、古典主義の秩序や記念碑性を再評価し、堂々たる量塊と象徴性をもって国家の威信を表現する方向へ向かった。労働や勝利、指導者を主題とする大規模な人物像や、列柱・装飾を備えた重厚な公共建築がその典型である。1937年パリ万博のソ連館を飾ったヴェーラ・ムーヒナの「労働者とコルホーズの女性」は、工業と農業の連帯という主題を、前進する二人の人物像へと結晶させた、彫刻における社会主義リアリズムの代表作とされる。
様式としては、明快な物語性、理想化された人体、楽観的で高揚した気分を特徴とし、抽象や私的な感情表現よりも、集団と未来への志向が重んじられた。スターリン時代に頂点を迎えたのち、1950年代以降は硬直した教条性が批判され、地域や時代によって緩やかに変質していった。20世紀の芸術が前衛と国家様式のあいだで揺れた歴史を映す、政治と不可分の様式である。
§1
代表建築
Buildings§2