EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
労働者とコルホーズの女性
© Willem van de Poll / CC0
FIG. 01 — Q627114

労働者とコルホーズの女性 Worker and Kolkhoz Woman

Рабочий и колхозница

モスクワにそびえる、ステンレス鋼の巨大彫刻。ハンマーを掲げる労働者と鎌を掲げる女性が並んで前進する姿をかたどる。建築家ボリス・イオファンが構想し、彫刻家ヴェーラ・ムーヒナが制作した。1937年パリ万博のソ連館頂部を飾った、社会主義リアリズムの代表作である。

FIG. 02 — Location55.8282° N 37.6467° E
ロシア モスクワ モスクワ
§1 — 概要

概要

「労働者とコルホーズの女性」(ロシア語:Рабочий и колхозница)は、モスクワに立つ高さ約24.5メートルのステンレス鋼製の彫刻である。ハンマーを掲げる男性労働者と、鎌を掲げる集団農場(コルホーズ)の女性が、並んで力強く前進する姿をかたどる。工業労働者と農業労働者の連帯を象徴し、ソ連を代表するモニュメントとして知られる。社会主義リアリズム彫刻の到達点に数えられる作品である。

歴史

この像は、1937年にパリで開かれた万国博覧会のソ連館のために制作された。会場では、ナチス・ドイツ館と相対する位置にソ連館が置かれ、両国のパビリオンが向かい合う構図が大きな注目を集めた。パビリオンを設計した建築家ボリス・イオファンが、頂部に二人の人物像を戴く全体構想を描き、その彫刻の制作者には、公募を経てヴェーラ・ムーヒナが選ばれた。ムーヒナは、人物の背後に長大なスカーフを翻らせるなど、前進の動勢を強調する造形へと練り上げた。万博閉幕後、像はモスクワへ運ばれ、1939年に全ロシア博覧センター(現ВДНХ)の近くに再建された。2003年から2009年にかけて全面的な修復・再構築が行われ、新たに設けられた台座パビリオンの上に立てられて現在に至る。

建築的特徴

像はステンレス鋼の薄板を溶接して組み上げる、当時としては先進的な手法で作られた。内部には鋼鉄の骨組みが通り、前傾しながら宙に差し出される二本の腕とスカーフを支えている。光を反射して輝く素材の選択は、機械と工業の時代を象徴するものであった。彫刻と、それを戴く建築的な台座とが一体として構想されている点に、建築家イオファンと彫刻家ムーヒナの協働の特質がある。

意義・現在

「労働者とコルホーズの女性」は、1920年代の前衛(構成主義)に代わって1930年代に公式様式となった社会主義リアリズムを、彫刻の領域で決定づけた作品である。ソ連の映画会社モスフィルムのロゴにも用いられ、国家のイメージとして広く流布した。現在の像は再構築されたもので、台座のパビリオン内部は展示空間となり、作品の歴史を伝えている。

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※ 画像は1937年パリ万博のソ連館頂部(当時)。現在の像は2003〜2009年に再建され、モスクワに立つ。
LAST EDIT — 2026.06.23
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