ジャコヴォ大聖堂 Đakovo Cathedral
クロアチア東部スラヴォニア地方の大聖堂。司教ストロスマイヤーの発願により1866年から1882年にかけて建てられた、ネオ・ロマネスクを基調とする赤煉瓦の聖堂で、クロアチア歴史主義建築の代表作とされる。
§1 — 概要概要
ジャコヴォ大聖堂(クロアチア語: Katedrala svetog Petra、聖ペテロ大聖堂)は、クロアチア東部スラヴォニア地方、オシエク=バラニャ郡の都市ジャコヴォに立つカトリックの大聖堂である。司教ヨシップ・ユライ・ストロスマイヤーの発願により19世紀後半に建てられた、ネオ・ロマネスク(ロマネスク・リヴァイヴァル)を基調とする赤煉瓦の聖堂で、クロアチア歴史主義建築を代表する大規模な作例として知られる。
歴史
新しい大聖堂の構想は18世紀末から19世紀初頭にさかのぼるが、財源の不足から長く実現しなかった。1849年に司教座に就いたストロスマイヤーは、ウィーンの建築家カール・レスナーに設計を委ね、1866年、レスナーの第三案にもとづいて起工された。レスナーは1869年に没し、1870年9月からフリードリヒ・フォン・シュミットが主任建築家を引き継いで、1882年まで造営を指揮した。外部の建設に約4年、内部の装飾に約12年を費やし、1882年10月1日に献堂された。建設には地元で焼いた約700万個の煉瓦が用いられ、石材はイストリアやハンガリー、オーストリアなどから運ばれた。
建築的特徴
平面はラテン十字を描く三廊式のバシリカで、正面に二基の鐘塔がそびえる。主体は赤煉瓦で、半円アーチや小円柱列などロマネスクの語彙を基調としつつ、ネオ・ゴシックやネオ・ビザンティンの要素も織り込まれている。内部はストロスマイヤーが構想した統一的な美術計画のもとに飾られ、ナザレ派の画家ザイツ父子による43面・1,000平方メートルを超えるフレスコが、旧約・新約の場面を描く。主祭壇は高さ約15メートルに及び、彫刻とフレスコ、建築が一体をなす総合芸術(ゲザムトクンストヴェルク)として構想された。
意義・現在
ジャコヴォ大聖堂は、ストロスマイヤーの文化的・国民的な理想を体現する、19世紀クロアチア有数の建築事業であった。ローマ法王ヨハネ23世が「ヴェネツィアとイスタンブールの間で最も美しい聖堂」と評したと伝えられる。1933年の火災や20世紀の戦禍を経てなお当初の姿をよく保ち、クロアチアの文化財として登録されている。今日もジャコヴォ=オシエク大司教区の中心聖堂として、スラヴォニアの平原にそびえる町の象徴であり続けている。