サンクトペテルブルク地下鉄キーロフスコ・ヴィボルグスカヤ線の駅。1955年開業。ガラスで覆われた列柱が並ぶ豪奢な内部で知られ、スターリン様式の地下駅を代表する一例である。
§1 — 概要概要
アフトヴォ駅(Автово)は、ロシア・サンクトペテルブルク地下鉄のキーロフスコ・ヴィボルグスカヤ線(第1号線)に属する駅である。1955年、レニングラード地下鉄最初の路線の一部として開業した。装飾ガラスで覆われた列柱が並ぶ華麗な内部で知られ、世界でも有数の美しい地下鉄駅の一つに数えられる。設計は建築家エフゲニー・レヴィンソンが主導し、A・A・グルシュコが協働した。
歴史
レニングラード(現サンクトペテルブルク)の地下鉄は、第二次世界大戦による中断を挟みつつ戦後に建設が進められ、1955年11月15日に第1号線が開業した。アフトヴォはその開業時の駅の一つである。駅名は周辺の地区名に由来する。地上には、新古典主義の様式をまとうドーム付きの駅舎が設けられた。プラットホーム末端には、第二次大戦下のレニングラード包囲戦(1941–44年)を記念するモザイク画が掲げられている。
建築的特徴
アフトヴォは、第1号線の他駅と異なり、開削工法によって浅い位置に築かれた浅層柱式の駅である。最大の見どころは、ロモノーソフ工場で製造された装飾ガラスで化粧された列柱で、光を受けて宝玉のように輝く。当初は全柱をガラスで覆う計画であったが、工期の制約から一部は白大理石で代用され、その仮の措置が今日まで残っている。壁面は白大理石で覆われ、北側には装飾的な換気格子が並ぶ。全体は、勝利を祝う凱旋門のような荘重な意匠でまとめられている。
意義・現在
アフトヴォ駅は、戦後ソ連の地下鉄を「地下宮殿」と呼ばせた壮麗な装飾建築の到達点の一つであり、スターリン様式(スターリン・アンピール)を代表する空間として評価が高い。2014年には英紙ガーディアンが世界の美しい地下鉄駅の一つに挙げている。レニングラード包囲戦の記憶を刻む記念碑的な性格も併せ持つ。現在も現役の駅として日々利用されるとともに、ロシアの地域文化遺産として保護されている。