スターリン様式
Stalinist Empire style年代
1933 — 1955
地域
ソビエト連邦(戦後は東欧へ波及)
時代
近代モダニズム
スターリン様式(Stalinist Empire style、ロシア語: Сталинский ампир、スターリンスキー・アンピール)は、1930年代から1950年代半ばにかけてソビエト連邦で展開した建築様式である。社会主義リアリズムの理念のもとに成立し、革命直後のアヴァンギャルド建築(構成主義)への反動として登場した。社会主義国家の威信と勝利を可視化する記念碑性を志向し、新古典主義やルネサンス、バロック、さらにはロシアの伝統的な様式を折衷的に取り込んだ点に大きな特徴がある。列柱やペディメント、彫刻、レリーフ、そして星や鎌と槌といった社会主義の象徴を、古典的な構成のうちに豊かに配する。
造形面では、段状にせり上がる「ウェディングケーキ」状のシルエットと、頂部の尖塔(シュピーリ)に星章を戴く強い垂直性が、モスクワのセブン・シスターズに代表される高層建築においてとりわけ顕著である。構造には当時の先端であった鉄骨造が用いられ、外装には石材やセラミックタイルがふんだんに張られて、重厚で永続的な印象が与えられた。内部もまた、大理石、ブロンズ、シャンデリア、モザイクによって荘厳に飾られ、勤労者のための「宮殿」としての性格が強調された。
この様式は、第二次世界大戦後の復興期にソビエト連邦の各都市と東欧の衛星諸国へ広く波及し、ワルシャワの文化科学宮殿などを生んだ。しかし1955年、フルシチョフが「設計と建設における過剰の除去」を求める決議を発したことで急速に終焉を迎え、規格化された機能主義的な集合住宅へと取って代わられた。今日では、スターリン様式の建築は20世紀半ばのソビエト体制のイデオロギーと美学を体現する歴史的所産として評価されている。
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