モスクワ地下鉄アルバーツコ・ポクロフスカヤ線の駅。第二次大戦下の1944年に開業した深層のパイロン式駅で、天井を埋め尽くす円形照明の列と重厚な大理石装飾により、スターリン様式を代表する駅のひとつに数えられる。
§1 — 概要概要
エレクトロザヴォーツカヤ駅(Электрозаводская)は、モスクワ地下鉄アルバーツコ・ポクロフスカヤ線の駅である。駅名は近隣のクイビシェフ記念モスクワ電気工場(エレクトロザヴォート)に由来する。第二次世界大戦のさなかに開業した深層駅であり、天井の照明計画と主題性の高い装飾で知られ、モスクワ地下鉄のなかでも意匠的に名高い駅のひとつに数えられる。
歴史
ポクロフスカヤ半径の計画は1932年に遡り、路線と駅の構成は1930年代を通じて練り直された。駅の意匠は建築家ウラジミール・シューコとウラジミール・ゲリフレイフが手がけたが、シューコは1939年、計画の途上で世を去った。設計はゲリフレイフと、その門下のイーゴリ・ロージン、リュボーフィ・シャグリナへ引き継がれた。工事は戦争による中断を挟みながら進められ、駅は1944年5月15日に開業した。2007年からの約一年間は改修のため閉鎖され、彫刻家モトヴィーロフによるレリーフを含む装飾が修復されたうえで、2008年に再開している。
建築的特徴
パイロン式の三廊式深層駅で、中央のホールと二つのプラットフォームを、太い方形の柱(パイロン)が仕切る。最大の見どころは中央ホールの天井で、円形の照明が整然と列をなして格間を埋め、地下とは思えない明るさをもたらす。壁面や柱は磨かれた大理石で覆われ、ゲオルギー・モトヴィーロフによる労働者を主題としたレリーフが並ぶ。装飾は、当時のソ連が地下空間に求めた「地下宮殿」の理念を体現し、機能的な交通施設を記念碑的な公共空間へと高めている。
意義・現在
エレクトロザヴォーツカヤ駅は、戦時下にあっても装飾的水準を落とさなかったスターリン様式の地下建築の一例である。ロシアの地域文化遺産に登録され、現在も現役の駅として日々利用されている。2024年末には大環状線の同名駅との乗換通路が開通し、都市交通の結節点としての役割を強めた。