バンク・オブ・アメリカ・タワー Bank of America Tower
マンハッタン、ブライアント・パークに面する超高層ビル。クック+フォックスの設計で2009年に完成し、超高層建築として初めてLEEDプラチナ認証を受けた環境配慮型の塔である。
§1 — 概要概要
バンク・オブ・アメリカ・タワー(ワン・ブライアント・パーク)は、ニューヨーク、ミッドタウンのブライアント・パークに面して立つ高さ約366メートル、55階の超高層ビルである。シックス・アベニュー沿い、四十二丁目と四十三丁目の間に位置し、クック+フォックスの設計により、環境性能を前面に押し出した高層建築として知られる。完成時点でニューヨーク有数の高さを誇る塔でもある。
歴史
用地はダースト・オーガニゼーションが20世紀後半から少しずつ取得したもので、父シーモアが1960年代に着手し、息子のダグラスが21世紀初頭まで買い増しを続けた。バンク・オブ・アメリカを中核テナントとして2004年に着工し、施工中の事故を経て、2009年に総工費約10億ドルで完成した。設計はクック+フォックスが、施工監理はアダムソン・アソシエイツが担い、低層部には市の指定ランドマークであるスティーヴン・ソンドハイム劇場が組み込まれている。竣工後はバンク・オブ・アメリカのほか、資産運用会社や法律事務所、劇団などが主要テナントとして名を連ねた。
建築的特徴
敷地全体を覆う7階建ての基壇の上に塔が立ち上がり、約21万平方メートルのオフィス床を備える。結晶を思わせる稜線をもつ塔身は、断熱性能の高い複層ガラスのカーテンウォールで覆われる。敷地内の自家発電(コージェネレーション)設備、雨水と中水の再利用、夜間に氷を製造して昼間の冷房にあてる蓄熱システムなどを備え、開業時に超高層建築として初めてLEEDプラチナ認証を取得した。
意義・現在
省エネルギーを設計思想の中心に据えた点で、2000年代の環境配慮型高層建築の代表例とされる。一方で実際の電力消費は大きく、2020年代初頭には市の排出規制を超過したとも報じられ、認証と実績の隔たりという、環境性能の評価のあり方をめぐる議論の材料ともなっている。