© Ashley Pomeroy / CC BY 3.0
FIG. 01 — Q807915
1929年のバルセロナ万国博覧会のためにミース・ファン・デル・ローエが設計したドイツ館。大理石とガラスの薄い壁と平らな屋根による、流動的で透明な空間で知られる。会期後に解体され、1986年に再建された。
§1 — 概要概要
バルセロナ・パビリオン(Barcelona Pavilion、正式にはドイツ館)は、1929年のバルセロナ万国博覧会のドイツ館として、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが設計した。展示物を置かない、建築そのものを見せるための館であり、近代建築の最も純粋な空間表現の一つとされる。
歴史
博覧会のために建てられた仮設の館で、会期終了後の1930年に解体された。だが写真と図面を通じて伝説的な存在となり、近代建築の古典として研究され続けた。1980年代、その重要性からスペインの建築家たちが当初の場所への再建を進め、1986年に忠実に復元された。現在見られるのは、この再建された建物である。
建築的特徴
水平に伸びる薄い屋根を、十字断面の鋼鉄の柱が支える。壁はもはや屋根を支える役目から解かれ、トラバーチンや緑の大理石、瑪瑙(オニキス)の薄い板として、空間を仕切るのではなく緩やかに導くように配される。ガラスの面と相まって、内と外、部屋と部屋の境は曖昧になり、視線と動きが滞りなく流れる。「Less is more」を掲げたミースの、簡潔さの極致である。室内には、ミースがこの館のために設計した「バルセロナ・チェア」が置かれた。
意義・現在
バルセロナ・パビリオンは、流動的な空間と素材の美、構造と被覆の分離という近代建築の理念を、最も洗練された形で示した。再建された建物は、ミースの思想を体験できる場として世界中の建築家を惹きつけている。仮設として消えながら、なお最も大きな影響を与え続ける、稀有な建築である。
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