ベルグ城 Berg Castle
ルクセンブルク大公の主たる居城。1907〜11年にミュンヘンの建築家マックス・オステンリーダーの設計で、旧城を解体して新築された。ナッサウ家ゆかりのヴァイルブルク城に倣う、歴史主義のネオ・ルネサンス様式による城館である。
§1 — 概要概要
ベルク城(Berg Castle/仏: Château de Berg、独: Schloss Berg)は、ルクセンブルク中部のコルマー=ベルグに建つ、ルクセンブルク大公の主たる居城である。アルゼット川とアッテルト川の合流点に近い緑地に立つ。「城」と呼ばれるが軍事的な要塞ではなく、20世紀初頭に新築された大公一家の住居(シャトー)である。
歴史
ベルクの地が大公家の所有となったのは1845年、オランダ=ナッサウ家のウィレム2世がルクセンブルク内に居所を求めて買い取ったことに始まる。1890年に両家の王統が分かれた後、大公アドルフが城を取得して家領を維持した。現在の建物は、1905年に即位した大公ギヨーム(ヴィルヘルム)4世が、老朽化した旧城を取り壊して新築したものである。設計はミュンヘンの建築家マックス・オステンリーダーが担い、実務の大半をルクセンブルクの建築家ピエール・フンク=アイトが進めた。1907年に着工し、1911年9月に完成して、大公一家の主たる住居となった。第二次大戦中はナチス・ドイツに接収され、戦後の修復を経て、1964年に大公ジャンが再び居を構えた。
建築的特徴
新城は100を超える室をもち、約65メートルの塔(ドンジョン)が外観の中心をなす。様式は、当時広く行われた歴史主義のネオ・ルネサンスで、ナッサウ家ゆかりのヴァイルブルク城に着想を得たとされる。旧城のうち残されたのは厩舎・付属屋・19世紀の入口塔などにとどまり、建物の大部分はこのとき新しく建て替えられた。城のまわりには広大な庭園が整えられている。
意義・現在
ベルク城は、20世紀初頭の小国の君主が、その家系の由緒を歴史的な様式によって可視化した城館である。大公ジャンをはじめ、近代のルクセンブルク君主の何人かがこの地で生まれている。ルクセンブルク憲法は、首都の大公宮殿とこのベルク城を大公の居所と定めており、今日も国家元首の住居として用いられている。