EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
アマトリェー邸
© Argyriou(English Wikipedia) / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q506814
様式 · モデルニスモ 時代 · 新古典・歴史主義 類型 · 宮殿・邸宅 ★ スペイン文化財(Bien de Interés Cultural)/カタルーニャ州 国家的文化財(BCIN)

アマトリェー邸 Casa Amatller

スペイン・バルセロナのグラシア通りに立つ、モデルニスモの邸宅。建築家ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルクが1898年から1900年にかけて改築し、オランダ・フランドル風の段状切妻と豊かな装飾で「不和の街区」を彩る。

FIG. 02 — Location41.3914° N 2.1650° E
スペイン カタルーニャ州 バルセロナ
§1 — 概要

概要

アマトリェー邸(Casa Amatller)は、スペイン・バルセロナのグラシア通りに立つモデルニスモの邸宅である。建築家ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルクの設計により、チョコレート製造業者で考古学愛好家でもあったアントニ・アマトリェーの住宅として改められた。隣接するカサ・バトリョ、カサ・リェオ・モレラとともに、「不和の街区(イリャ・ダ・ラ・ディスコルディア)」を構成する三邸の一つに数えられる。

歴史

建物自体は1875年の竣工だが、1898年から1900年にかけてプッチ・イ・カダファルクが大規模に改築し、現在の姿となった。施主アマトリェーの没後も一家の所有が続いたため、1900年当時の内部が良好に保存された。今日では歴史的邸宅博物館、カフェ、そしてスペイン美術を研究するアマトリェー研究所として公開されている。

建築的特徴

正面を強く印象づけるのは、オランダ・フランドルの市民建築に着想を得た段状の切妻(階段状の破風)である。この切妻は、規則正しく揃ったアシャンプラ街区の軒線を破って空へ伸び上がり、建物に強い垂直性と独自の輪郭を与えている。地中海のモデルニスモに北方ゴシックの語彙を接ぎ木した点に、プッチ・イ・カダファルクの歴史折衷的な姿勢がうかがえる。壁面はスグラフィートや彫刻、鍛鉄、彩色タイルで密に飾られ、聖ゲオルギオスや動物を象った石彫が随所に配される。中世的なモティーフと、近代的な平面・設備とが融合している。

意義・現在

アマトリェー邸は、ガウディのカサ・バトリョと軒を接しながら、曲線のガウディとは対照的な直線と幾何学、そして歴史への参照を示し、モデルニスモの幅の広さを物語る。「不和の街区」という呼称は、様式を競い合う三邸の対比に由来する。保存状態の良さから、世紀転換期バルセロナのブルジョワ住宅の内実を今に伝える事例となっており、カタルーニャ州の国家的文化財(BCIN)に指定されている。

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LAST EDIT — 2026.06.29
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