ブルガリアの首都ソフィアに建つセファルディ系ユダヤ教の会堂。1905年から1909年にかけてオーストリアの建築家グリューナンガーの設計で建てられ、南東欧最大級のシナゴーグとして知られる。
§1 — 概要概要
ソフィア・シナゴーグ(ブルガリア語: Софийска синагога)は、ブルガリアの首都ソフィア中心部に建つユダヤ教の会堂である。同国のセファルディ系(イベリア半島起源)ユダヤ人共同体のために建てられ、約1,300人を収容できる南東欧最大級のシナゴーグとして知られる。ムーリッシュ・リヴァイヴァルを基調とする折衷的な意匠で、20世紀初頭のソフィアを彩った記念碑的建築の一つである。
歴史
19世紀末から20世紀初頭、独立後のブルガリアで首都ソフィアの近代化が進むなか、首席ラビのマルクス・エーレンプライスらを中心にユダヤ人共同体の再編が図られ、その象徴として壮大な新会堂の建設が計画された。設計はウィーンで学んだオーストリアの建築家フリードリヒ・グリューナンガーに委ねられ、1905年11月に着工した。工事は1909年に竣工し、同年9月9日、ブルガリア国王フェルディナント1世臨席のもとで開堂した。建設地には、それ以前にも古い会堂が建っていた。第二次世界大戦後、ブルガリアのユダヤ人の多くがイスラエルへ移住(アリヤー)したため、今日の礼拝者は往時より大きく減じている。
建築的特徴
建築はウィーンのレオポルトシュタット・テンペル(旧モーリッシュ様式の会堂)に範をとり、馬蹄アーチやアラベスク風の装飾を多用するムーリッシュ・リヴァイヴァルを主調とする。これにビザンティン・リヴァイヴァルの要素が加わり、ファサードにはヴェネツィアやウィーン分離派の意匠が重ねられて、複数の様式を統合した折衷性が際立つ。平面は八角形のドームを戴く集中式で、内部は色大理石・金彩・モザイクで豊かに飾られる。重さ1.7トンに及ぶ大シャンデリアは、ブルガリア最大とされる。
意義・現在
ソフィア・シナゴーグは、解放後のブルガリアにおけるユダヤ人共同体の繁栄と、首都ソフィアの国際性を物語る建築である。第二次大戦後の人口流出を経てなお現役の会堂として維持され、ブルガリアに残る数少ない活動中のシナゴーグの一つとなっている。建物の一部はユダヤ歴史博物館を兼ね、バルカン半島のユダヤ史を伝える場として公開されている。