EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
タボル山の変容教会
© gugganij / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q1028121

タボル山の変容教会 Church of the Transfiguration

Basilica della Trasfigurazione

イスラエル・タボル山の頂に建つフランチェスコ会のバシリカ聖堂。「聖地の建築家」アントニオ・バルルッツィの設計により1924年に完成し、キリストの変容の地とされる伝承を記念する。

FIG. 02 — Location32.6862° N 35.3929° E
イスラエル 北部地区
§1 — 概要

概要

変容教会(Church of the Transfiguration)は、イスラエル北部、ガリラヤのタボル山頂に建つフランチェスコ会のバシリカ聖堂である。新約聖書に記されたキリストの変容——イエスが山上で姿を変え、モーセとエリヤと語り合ったとされる出来事——の地とする伝承を記念して建てられた。設計は、聖地各地の巡礼教会を手がけ「聖地の建築家」と呼ばれたイタリアの建築家アントニオ・バルルッツィによる。

歴史

現在の聖堂は1924年に完成した。建設地には、4〜6世紀のビザンティン期の聖堂と、十字軍王国期である12世紀の教会の遺構が重なっており、新たな聖堂はその上に築かれた。バルルッツィはフランチェスコ会聖地管区の委嘱のもとで設計にあたり、ロマネスク・シリア風の堅固な造形によって記念聖堂をまとめあげた。

建築的特徴

正面は二基の塔に挟まれ、南塔にエリヤの礼拝堂、北塔にモーセの礼拝堂が納められる。これは変容の場面でペトロが「三つの幕屋」を建てようと願った聖書の挿話に対応する。東側にはキリストの岩窟があり、階段を下ると近代的なヴォールトで覆われた下層の聖所に至る。上部の後陣には、金地に変容の場面を表すモザイクが輝く。変容を記念する8月6日には、床に嵌め込まれたガラス板を陽光が射し、この金地のモザイクを束の間照らすという。バルルッツィは主題に合わせて光を多く取り込もうと、雪花石膏(アラバスター)の板で屋根を構想したが、防水が成らず、後に通常の屋根で覆われた。

意義・現在

変容教会は、20世紀前半に聖地各地で記念聖堂を設計したバルルッツィの代表作の一つである。彼は遺構や地形、聖書の物語そのものを建築へ織り込む手法で知られ、本聖堂もまた歴史の層と信仰の主題を一棟に凝縮している。タボル山を訪れる巡礼の目的地として、現在も用いられている。

関連する建築

Related
同じ建築家
ドミヌス・フレヴィト教会
1955 · エルサレム
ドミヌス・フレヴィト教会
Antonio Barluzzi

エルサレムのオリーブ山中腹に建つカトリック教会。キリストが都を見て涙したとい…

データ: Wikidata (Q1028121) / 画像: © gugganij / CC BY-SA 3.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.06.28
ENTRY ID — BLD-1032