イスラエル・ホロンに2010年に開館した、同国初のデザイン専門美術館。デザイナーで建築家のロン・アラッドが設計し、五本のコルテン鋼の帯が建物を渦巻くように取り巻く。テルアビブ近郊の文化地区の核として、デザインの国際的な発信拠点となっている。
§1 — 概要概要
ホロン・デザイン美術館(Design Museum Holon)は、イスラエル中部の都市ホロンに2010年に開館した、同国で初めてデザインを専門とする美術館である。インダストリアルデザイナーで建築家のロン・アラッドが、建築家ブルーノ・アサと協働して設計した。波打つコルテン鋼の帯が建物を取り巻く外観で知られ、ホロンの新たな文化地区の核として構想された。
歴史
美術館は、図書館やメディアテークを含むホロンの文化地区の一画に建てられた。建物は2010年1月に竣工式を行い、同年3月3日に一般公開された。開館にあたっては、旅行誌が「新しい世界の驚異」のひとつに挙げるなど国際的な注目を集めた。歴史的デザイン、現代デザイン、委嘱作品、学術プロジェクトの四分野を軸に収集と展示を行い、アルベール・エルバスやザハ・ハディドら国内外のデザイナーを紹介する企画展を重ねてきた。
建築的特徴
最大の特徴は、建物を幾重にも巻く五本のコルテン鋼のリボンである。鋼板はイタリアで製造され、複数の色調をもつ赤褐色の錆の帯が、内部の展示室を包む殻のように湾曲しながら連続する。来館者は鋼帯に囲まれた内部の広場を経て館内へ入る。展示室は約250平方メートルの下層ギャラリーと、自然光が入る約500平方メートルの上層ギャラリーを中心とし、作品に集中できるよう意図的に抑制された空間とされている。
意義・現在
ホロン・デザイン美術館は、家具デザインで知られたロン・アラッドが手がけた数少ない建築作品のひとつであり、素材の可塑性を造形の主題とする彼の関心が建築のスケールで展開された例である。工業用の素材であるコルテン鋼を彫塑的な造形言語へと転じたこの建物は、ホロンを文化都市として印象づけ、デザインの国際的なプラットフォームとしての役割を担い続けている。