トルクメニスタンの首都アシガバートに建つ、白大理石のモスク。独立後まもなくトルコの支援で1998年に竣工し、イスタンブールのブルーモスクに範をとる四基のミナレットと中央ドームで、市の象徴となっている。
§1 — 概要概要
エルトゥールル・ガーズィー・モスク(Ertuğrul Gazi Mosque)は、トルクメニスタンの首都アシガバートの中心部、アザディ通りに建つモスクである。アザディ・モスクとも呼ばれる。真っ白な大理石をまとい、四隅に立つ四基のミナレットと大きな中央ドームを備えた市内最大のモスクで、約五千人を収容する。泉亭を備えた中庭をもち、敷地全体で市内最大の規模を誇る。
歴史
名は、オスマン帝国を興したオスマン一世の父エルトゥールルに由来する。建設の構想は、1992年にトルクメニスタンを訪れたトルコの首相スレイマン・デミレルによって示された。1993年に定礎され、トルコの企業がトルコの伝統的な様式に基づいて施工し、1998年に完成・開廟した。ソ連からの独立を遂げて間もない時期に建てられた、新しい国の象徴的建築の一つである。工事中に複数の死者が出たことから、不吉ないわれが語られることもある。
建築的特徴
全体の構成は、イスタンブールのスルタンアフメト・モスク(ブルーモスク)に代表される古典オスマン建築に範をとる。中央の大ドームを半ドームが支え、その周囲を細く高い鉛筆形のミナレットが囲む構成は、16世紀オスマン建築の理想を現代の白大理石で再現したものといえる。四基のミナレットはいずれも高さ約62メートルに達し、遠くからもモスクの所在を示す。内部はミフラーブを中心に、繊細なステンドグラスと金彩の装飾、手書きのクルアーンの章句で覆われ、光に満ちた荘厳な礼拝空間をつくり出している。一階を男性用、二階を女性用とする。
意義・現在
トルコとトルクメニスタンという、テュルク系の民族的・歴史的な結びつきを象徴する建築として位置づけられる。古典オスマン建築の形式を国外に移植した近年の代表例であり、白い大理石建築の都として整備が進むアシガバートの景観のなかでも、ひときわ目を引く存在となっている。設計は、オスマン様式の復興に取り組むトルコの建築家ヒルミ・シェナルプ(ハッサ建築)による。
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