EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
エクソンビル
© David Shankbone(Wikimedia Commons) / Public domain
FIG. 01 — Q173498

ニューヨーク六番街に建つ54階・高さ229mの超高層ビル。ロックフェラー・センター西方拡張〈XYZビル群〉の一棟として1971年に竣工し、ウォレス・ハリソンの設計になる。装飾を排した端正な直方体で、戦後アメリカの企業モダニズムを体現する。

FIG. 02 — Location40.7600° N 73.9814° W
アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ニューヨーク
§1 — 概要

概要

エクソンビル(Exxon Building、現1251アヴェニュー・オブ・ジ・アメリカズ)は、ニューヨーク市マンハッタンの六番街(アヴェニュー・オブ・ジ・アメリカズ)に建つ54階・高さ229メートルの超高層オフィスビルである。ロックフェラー・センターの西方拡張として1960年代から70年代に建設された〈XYZビル群〉の最も高い一棟で、設計はロックフェラー家の建築家ウォレス・ハリソン率いるハリソン・アンド・アブラモヴィッツ事務所による。石灰岩とガラスの細い縦縞に覆われた簡潔な直方体は、装飾を一切もたない端正な企業建築として、戦後アメリカのインターナショナル・スタイルを代表する。

歴史

六番街は高架鉄道の影が長く商業的に振るわなかったが、1939年の高架撤去とロックフェラー・センターの拡張機運を受けて再開発の舞台となった。1963年、ロックフェラー・センターは六番街西側の三街区に高層ビル群を建てる計画を発表する。三棟はその高さに応じてX・Y・Zと呼ばれ、最も高いXが本ビルにあたる。ハリソンらの設計のもと1967年に着工し、1971年に竣工した。当初はスタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーの本社として計画され、同社が1972年にエクソンへ改称したことで「エクソンビル」の名が定着する。エクソンは1980年代末に本社をテキサスへ移し、ビルは1986年に三井不動産系の会社へ売却され、現在は三井不動産が所有する。

建築的特徴

外観は装飾を排した端正な角柱で、ファサードは細い石灰岩の方立とガラスが交互に走る縦縞で構成される。荷重を外皮に負わせる純然たるカーテンウォールとは異なり、石灰岩を被せた方立そのものが垂直の構造材を兼ねる点に特徴がある。垂直性を強調するこの面構成は、隣接するXYZの他棟とも共通する。構造は鉄骨の方杖(トラス)架構で、高層階の風荷重を斜材で受け流す。低層部は西側に七層の基壇を巻き、六番街に面して沈床広場が開く。広場には二段の大きな水盤と噴水が据えられ、市内でも最大級の噴水として知られる。容積率の割増と引き換えに設けられた公開空地(POPS)であり、彫刻《アウト・トゥ・ランチ》が置かれている。

意義・現在

高さでは全米有数だが、500フィート級のビルに四方を囲まれているため、街のスカイラインにはほとんど姿を現さない。それでも、簡素な直方体・縦縞のファサード・公開広場という組み合わせは、1960〜70年代のアメリカの企業ビルの一典型を示す。エクソンの本社移転後も優良オフィスとして使われ続け、2013年には既存ビル向けの環境認証(LEED)を取得した。ロックフェラー・センターという都市的な複合体の延長線上に置かれた、後期国際様式の手堅い達成といえる。

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LAST EDIT — 2026.06.25
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