サンパウロ中心部に建つ、高さ170メートル・51階の超高層ビル。1966年の完成から半世紀以上、市内で最も高い建物であり続けた。当時としては先進的な総鉄筋コンクリート造で、谷を見おろす簡素なモダニズムの塔として知られる。
§1 — 概要概要
ミランテ・ド・ヴァレは、ブラジルのサンパウロ中心部に建つ超高層ビルである。高さ170メートル、51階建てで、1966年の完成以来、半世紀以上にわたってサンパウロで最も高い建物であり続けた。アニャンガバウーの谷を見おろすように立つ、簡素で力強いモダニズムの塔である。
歴史
ミランテ・ド・ヴァレは、技師ヴァルドミロ・ザルズールとアロン・コーガンが営む建設会社ザルズール&コーガンによって、1960年に着工された。当初は高さ80メートルほどの計画であったが、工事が市の中心で評判を呼ぶにつれて、より高く建てることが認められていった。共同経営者のコーガンが1960年に没すると、ザルズールは彼を悼んで、この建物をラテンアメリカ一の高さに押し上げることを志し、1966年、170メートルの塔として完成させた。落成時は「ザルズール&コーガン宮殿」と呼ばれ、のちにミランテ・ド・ヴァレと改称された。
建築的特徴
ミランテ・ド・ヴァレは、装飾を排したモダニズム(インターナショナル・スタイル)の超高層建築である。最大の特徴は、当時としては挑戦的だった、全体を鉄筋コンクリートで築いた構造にある。100メートルを超える高さの建物を総鉄筋コンクリート造とした、世界でも早い例の一つであり、約2万立方メートルのコンクリートと5000トンの鉄が用いられた。すらりとした細長い板状の姿で谷の上にそびえ、頂部には、かつてネオンの大看板を掲げた鉄骨の格子が残る。
意義・現在
ミランテ・ド・ヴァレは、戦後ブラジルの急速な発展を映す記念碑として、長くサンパウロのスカイラインの頂点に立ってきた。2022年に新たな高層ビルに抜かれるまで市内一の高さを保ち、今日もなお、オフィスや住居として使われ続けている。
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