ベルリンテレビ塔 Fernsehturm Berlin
ベルリン中心部アレクサンダー広場近くに建つ、高さ368メートルの電波塔。東ドイツ政府が1965年から1969年にかけて建設し、社会主義の威信の象徴とされた。ドイツで最も高い建造物であり、再統一後はベルリンの象徴となった。
§1 — 概要概要
ベルリンテレビ塔(Berliner Fernsehturm)は、ドイツの首都ベルリンの中心部、ミッテ区のアレクサンダー広場近くに建つ電波塔である。アンテナを含む高さは368メートルに達し、ドイツ国内で最も高い建造物である。鉄筋コンクリートの塔身、その上部に据えられた銀色の球体、さらに上方へ伸びるアンテナという構成をもつ。
歴史
塔は、東ドイツ(ドイツ民主共和国)政府が放送網の整備と社会主義国家の威信を示す象徴として計画したものである。1965年8月4日に基礎工事が始まり、三交代制による突貫工事を経て、1969年10月3日に開業した。当初の高さは365メートルであったが、1997年のアンテナ改修により368メートルとなった。1979年には記念物(Denkmal)に指定されている。1989年のベルリンの壁崩壊と翌年の再統一を経て、かつて東側の象徴であった塔は、分断を越えたベルリン全体のシンボルへとその意味を変えていった。
建築的特徴
塔身は鉄筋コンクリート造で、上部の鋼鉄製の球体は、ソ連の人工衛星スプートニクを想起させる造形をもつ。球体内には地上約203メートルの展望フロアと、約207メートルの位置に回転式レストランが設けられている。球体の表面はステンレス鋼のパネルで覆われる。設計の主体については、初期の細身の構想を示したヘルマン・ヘンセルマンと、構造を実現へと導いたIPRO(国営設計機関)の技術者たちとの間で、その帰属をめぐる議論がある。晴れた日に球体へ差し込む陽光が十字の反射を生むことから、宗教を抑圧した東ドイツ政府への皮肉として「ローマ法王の復讐(Rache des Papstes)」と呼ばれた逸話も知られる。
意義・現在
年間100万人を超える来訪者を集める観光名所であり、現在も放送施設として稼働を続けている。東西分断の時代に建てられながら、今日ではベルリン、そしてドイツそのものを象徴する建造物として広く親しまれている。