ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア Galleria Vittorio Emanuele II
ミラノの大聖堂広場とスカラ座広場を結ぶ、鉄とガラスで覆われた歩行者用アーケード。ジュゼッペ・メンゴーニの設計で1877年に完成し、19世紀の商業空間の原型となった華やかな「ミラノの応接間」。
§1 — 概要概要
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアは、イタリア・ミラノの中心部で大聖堂広場とスカラ座広場を結ぶ、屋根付きの歩行者用アーケードである。十字形の平面をとり、交差部には八角形の空間とガラスのドームが架かる。統一イタリア初代国王の名を冠し、設計はジュゼッペ・メンゴーニが手がけた。世界で最も古い商業アーケードの一つに数えられる。
歴史
ミラノ大聖堂前の都市改造の一環として計画され、1865年に着工した。1867年に国王臨席のもとで開通したが、全体の完成は1877年まで及んだ。メンゴーニは竣工間際の1877年末、最後の凱旋門を残すばかりの現場で足場から転落して命を落とした。完成後は優雅な商店とカフェが並ぶ社交の場となり、「ミラノの応接間(サロット)」と呼ばれて市民に親しまれた。第二次世界大戦では爆撃で大きな被害を受けたが、戦後に修復されている。
建築的特徴
通路は鉄骨とガラスによる大きなヴォールト天井で覆われ、自然光が降り注ぐ明るい内部空間を生む。交差部の八角形を覆うガラス・ドームは床から約47メートルの高さに達する。両側の壁面はネオルネサンス様式の石造で整えられ、新しい鉄とガラスの建築技術と歴史主義の意匠が一体となっている。床には諸都市の紋章を表したモザイクが敷かれ、なかでもトリノを示す雄牛の図像は、踵で回ると幸運が訪れるという言い伝えとともに名所として知られる。
意義・現在
透明な屋根の下に商業空間を囲い込むこの形式は、19世紀ヨーロッパに広がったアーケード建築の代表例であり、後のショッピングモールの原型ともみなされる。ナポリのウンベルト1世のガッレリアなど、各地の同種の建築の手本ともなった。現在も高級ブランドの店舗や老舗のカフェが軒を連ね、大聖堂と並ぶミラノの観光名所として多くの人を集めている。