米マサチューセッツ州フォックスボロにある多目的スタジアム。NFLのニューイングランド・ペイトリオッツとMLSのレヴォリューションが本拠とし、2000年着工・2002年開業。設計はポピュラス(当時HOKスポーツ)。
§1 — 概要概要
ジレット・スタジアム(Gillette Stadium)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州フォックスボロにある多目的スタジアムである。NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のニューイングランド・ペイトリオッツと、MLS(メジャーリーグサッカー)のニューイングランド・レヴォリューションが本拠地として使用する。命名権は剃刀ブランドのジレットが保有する。
歴史
2000年3月に着工し、隣接する旧フォックスボロ・スタジアムに代わる施設として2002年に開業した。設計は、スポーツ施設を数多く手がける建築事務所HOKスポーツ(2009年にポピュラスへ改称)が担当した。総工費は約3億2,500万ドルで、運営会社クラフト・グループが全額を私費で負担した。公費に依存しがちな米国のスタジアム事情のなかで、この民間資金主導の方式は特徴的とされる。開業後も改修が続けられ、2023年にはノースエンドに高さ218フィートの展望塔と、ニューイングランドの灯台を模した構築物が加えられている。
建築的特徴
鉄骨造のオープンスタジアムで、観客席は約6万5千席を備える。フィールドを囲むスタンドは北側を開いた構成をとり、その開口部からは外部の景観が見通せる。北側入口には、ニューイングランド地方の伝統的な意匠を引いた橋と灯台のモチーフが配され、施設の象徴として用いられている。フィールドは開業当初の天然芝から、2006年に人工芝(フィールドターフ)へ切り替えられた。アメリカン・フットボールとサッカーの双方に対応する設計で、多目的利用を前提とした実用本位の構成である。
意義・現在
ジレット・スタジアムは、興行と放映を前提とする現代の大規模スポーツ施設の典型例である。21世紀初頭の北米における民間資金主導のスタジアム建設の一例として参照される。2026年のFIFAワールドカップでは会場の一つに選ばれ、大会期間中は「ボストン・スタジアム」の名称で使用される予定である。歴史的・様式的な建築ではないが、地域のスポーツ文化と都市圏の集客を担う施設として機能している。