EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
アスマラ大モスク
© David Stanley / Wikimedia Commons / CC BY 2.0
FIG. 01 — Q11957212
様式 · 合理主義建築 時代 · 近代モダニズム 類型 · 宗教建築 ★ ユネスコ世界遺産「アスマラ:アフリカの近代都市」(2017年登録)構成資産

アスマラ大モスク Great Mosque of Asmara

جامع الخلفاء الراشدين

エリトリアの首都アスマラの中心に立つ大モスク。イタリア植民地期の1938年、グイド・フェラッツァの設計で建てられ、合理主義・古典・イスラームの様式を融合する。世界遺産「アスマラ」を構成する主要建築の一つ。

FIG. 02 — Location15.3389° N 38.9417° E
ER マアカル地方 アスマラ
§1 — 概要

概要

アスマラ大モスク(正式にはアル・フラファー・アッ=ラーシディーン、「正統カリフのモスク」の意)は、エリトリアの首都アスマラの中心に立つ。ロザリオの聖母教会、エンダ・マリアム聖堂と並ぶ市の三大建築の一つに数えられ、合理主義・新古典・イスラームの語彙を一棟に編み込んだ、植民地期の折衷的記念碑である。

歴史

イタリア領エリトリア時代の1938年、建築家グイド・フェラッツァの設計により、ベニート・ムッソリーニの主導で建設された。住民の約半数を占めるムスリムに統治の威信を示す意図があったとされる。1935年から1941年にかけて、イタリアはアスマラに近代都市を一気に築き上げており、本モスクもその大規模な建設事業の一環であった。

建築的特徴

正面の中央には、ローマの円柱に倣った縦溝彫りのミナレットがそびえ、二段のバルコニーを備えて市内のどこからも望める。その下には三分割された新古典の開廊が広がり、デケムハレ産トラバーチンの双柱がカラーラ大理石の柱頭を戴く。礼拝の方角を示すミフラーブもカラーラ大理石でつくられ、前庭は黒い石板を幾何学模様に敷きつめる。ミナレットを軸とした左右対称の構成のもと、中央の礼拝室から両翼の開廊が水平に伸び、白い壁面と直線的な輪郭が合理主義特有の明快さを与える。イスラームのドームとアーチを、合理主義の明快な量塊と古典の細部に重ね合わせた構成は、フェラッツァの折衷的な手腕をよく示している。

意義・現在

植民地統治の道具として建てられた一方で、このモスクは今日、エリトリアのスンナ派ムスリムにとって信仰と国民的結束の象徴となっている。金曜礼拝やラマダーンには各地から人が集う。カトリックの聖堂、正教会の聖堂とともに市の中心に近接して立つさまは、複数の信仰が共存するアスマラの都市像をよく物語る。2017年、アスマラ市街は「アフリカの近代都市」として世界遺産に登録され、本モスクはその中核を担う建築として位置づけられている。

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LAST EDIT — 2026.06.28
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