ロンドンの金融街シティ・オブ・ロンドンに立つ超高層オフィスビル。マストを含む高さ230メートルは、2011年の完成時にシティで最も高かった。設計はコーン・ペダーセン・フォックス(KPF)による。
§1 — 概要概要
ヘロン・タワー(Heron Tower、正式名称110ビショップスゲート)は、ロンドンの金融街シティ・オブ・ロンドンに立つ超高層建築である。通信用のマストを含む高さは230メートルで、2011年の完成時には、それまで30年にわたり首位にあったタワー42を抜き、シティで最も高い建物となった。設計はアメリカの建築事務所コーン・ペダーセン・フォックス(KPF)による。
歴史
開発を主導したヘロン・インターナショナルにちなんで「ヘロン・タワー」と呼ばれるこの塔は、1999年に計画が始まった。当初の案はセント・ポール大聖堂の眺望への影響などをめぐって議論を呼んだが、修正を経て2006年に認可された。2007年に着工し、2011年に完成する。のちに、入居する企業セールスフォースが名称の変更を求めて論争となったが、正式名称は所在地にちなんで「110ビショップスゲート」と定められた。
建築的特徴
塔は、三層ぶんを一区切りとする「ヴィレッジ(村)」と呼ばれるオフィスの単位を積み重ねた構成をとり、各区画の中心には三層吹き抜けのアトリウムが設けられる。北面には、ガラスのカーテンウォールの外側に斜めの筋交いが現れ、内部に積み重なる吹き抜けの様子を映して、立面に変化を与える。南面は太陽光発電のパネルで覆われ、日除けと発電を兼ねる。頂部に立つステンレス鋼のマストが、全体の高さを230メートルへと押し上げている。低層の受付には、ヨーロッパ有数の規模をもつ大型の水槽が据えられ、この塔の名物となっている。
意義・現在
ヘロン・タワーは、21世紀に入って高層化が進んだシティ・オブ・ロンドンの先がけとなった建物の一つである。その後、近隣には「ガーキン」や「チーズグレーター」など個性的な摩天楼が相次いで建ち、歴史的な金融街の空に新しい景観を加えていった。最上部のレストランやバーは一般にも開かれ、ロンドンの街並みを見晴らす場として親しまれている。環境性能の高さでも評価され、いまもシティを代表する高層建築の一つである。