フーバーダム Hoover Dam
コロラド川のブラック・キャニオンに築かれた巨大なダム。ネバダ州とアリゾナ州の境にまたがり、高さ約221メートル。大恐慌のさなか1936年に完成し、アメリカの土木技術を示した記念碑であり、堤体に施されたアール・デコの意匠でも知られる。
§1 — 概要概要
フーバーダムは、アメリカ、コロラド川のブラック・キャニオンに築かれた巨大なダムである。ネバダ州とアリゾナ州の境にまたがり、高さは約221メートルに達する。大恐慌のさなかに建設され、アメリカの土木技術の力を示した記念碑として、また堤体や取水塔に施されたアール・デコの意匠でも名高い。
歴史
フーバーダムは、コロラド川の治水と、灌漑・発電のための水資源を確保する目的で、アメリカ開拓局によって計画された。設計はチーフ技師ジョン・サヴェージが統括し、外観の意匠は建築家ゴードン・カウフマンが手がけた。1931年、企業連合シックス・カンパニーズが施工を請け負い、総監督フランク・クロウの指揮のもと、川を迂回させるトンネルの掘削から始まった。灼熱の峡谷での難工事の末、1936年に完成し、当時世界一の高さを誇るダムとなった。せき止められた水は、巨大な人造湖ミード湖をかたちづくっている。
建築的特徴
フーバーダムは、アーチの曲面と重力の重さの両方で水圧を受け止める、コンクリートのアーチ式重力ダムである。上流側へゆるやかに張り出した曲面が、水の力を峡谷の岩壁へと逃がしている。底部は約200メートルと厚く、頂部に向かって細くすぼまる。湖の側には、水を発電所へ導く四基の取水塔がそびえ、堤体や発電所には、装飾を抑えながらも力強い線で構成されたアール・デコの造形が施されている。
意義・現在
フーバーダムは、ネバダ州・アリゾナ州・カリフォルニア州に電力を供給し、南西部の都市の成長を支えてきた。大恐慌期のアメリカに雇用と希望をもたらした事業としても記憶されている。1985年に国定歴史建造物に指定され、今日も年間数百万人が、その壮大な姿を見に訪れている。
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