トルコ西部の都市イズミルにある多目的競技場。1971年の地中海競技大会のために建てられ、開場当時はトルコ最大のスタジアムであった。建国の父アタテュルクにちなんで名づけられている。
§1 — 概要概要
イズミル・アタテュルク・スタジアム(İzmir Atatürk Stadyumu)は、トルコ西部の都市イズミルのコナク区にある多目的競技場である。1971年の地中海競技大会のために建設され、開場当時はトルコ最大かつ最新のスタジアムであった。トルコ建国の父ムスタファ・ケマル・アタテュルクにちなんで名づけられている。
歴史
イズミルが1971年の地中海競技大会の開催地に決まったことを受けて、競技場の建設が計画された。1968年3月に着工し、1971年に完成する。設計はトルコの建築家ハルビ・ホタンによる。同年10月、ここで大会の開会式と陸上競技が行われた。以後、1980年のイスラム連帯競技大会や2005年のユニバーシアードなど国際的な大会の舞台となり、サッカーのトルコ代表戦やイズミルのクラブ同士のダービーも数多く催されてきた。1985年と2005年に大規模な改修を受け、立ち見を含めて8万人規模であった収容人数は、全席着席化により約5万1千人となった。
建築的特徴
スタジアムは鉄筋コンクリートを主体とし、観客席を大きく積み上げた重厚な構成をとる。楕円形のスタンドは400メートルの陸上トラックとサッカーのピッチを囲み、どの席からも競技がよく見通せるよう設計された。メインスタンドの上には、柱で視界を遮らないカンチレバーの屋根が張り出している。装飾を排して機能を優先したその姿は、1970年前後の近代的なスタジアム建築の典型を示している。
意義・現在
イズミル・アタテュルク・スタジアムは、トルコが初めて大規模な国際総合競技大会を開いた舞台であり、同国のスポーツ施設の発展における一つの節目となった建物である。長くイズミルのスポーツと市民生活の中心であったが、2020年にイズミル周辺を襲った地震で損傷し、安全のため閉鎖された。陸上競技場としては、今もトルコ有数の規模を保っている。