サウジアラビア・ジッダで建設中の超高層ビル。エイドリアン・スミス+ゴードン・ギルの設計により、高さ1,000メートル超を目指す。完成すれば人類初の1キロメートル級の建造物となる見込み。旧称キングダム・タワー。
§1 — 概要概要
ジッダ・タワー(Jeddah Tower、アラビア語:برج جدة、旧称キングダム・タワー)は、サウジアラビア西部の都市ジッダで建設が進められている超高層ビルである。紅海に面する大規模開発「ジッダ・エコノミック・シティ」の中核施設として計画され、設計はアメリカの建築家エイドリアン・スミス率いるエイドリアン・スミス+ゴードン・ギル・アーキテクチャー(AS+GG)が手がける。計画高さは1,000メートルを超え、完成すれば現在世界最高のブルジュ・ハリファ(828メートル、ドバイ)を抜き、人類が築いた初の1キロメートル級の建造物となる見込みである。
歴史
構想は2009年に設立されたジッダ・エコノミック・カンパニーのもとで本格化し、ブルジュ・ハリファを設計したエイドリアン・スミスが2010年に設計者に選ばれた。建設は2013年に始まったが、2018年1月、施工をめぐる事情から全体のおよそ三分の一を建てた時点で工事が中断した。約7年の停滞を経て、2025年1月に建設が再開され、その後は急速に階層を積み上げている。完成時期は2028年ごろと見込まれているが、計画の経緯から、確定的な竣工年を断定することはできない。なお最終的な正式高さは事業主から公表されていない。
建築的特徴
平面は三つの「花弁」が中心から伸びるような三方向の形をとり、上部へ向かって細く絞られていく。この先細りの造形は、極端な高さで問題となる風による揺れ(渦の放出)を抑えるための空力的な工夫でもある。設計はブルジュ・ハリファで得られた知見を踏まえ、構造・設備の両面で1,000メートル級の高さに対応する。各面には切り欠き(ノッチ)が設けられ、日射を遮る影と、眺望に開かれたテラスとを生み出す。用途はホテル・住居・オフィス・展望施設からなる複合建築で、高層部には世界有数の高さの展望デッキが計画されている。
意義・現在
ジッダ・タワーは、サウジアラビアの経済多角化政策「ビジョン2030」を象徴する事業のひとつであり、国家の威信をかけた建築でもある。同時に、1,000メートルという未踏の高さは、高所での風荷重、超高層への生コンクリートの圧送、長大なエレベーター系統など、超高層建築の技術的限界を押し広げる挑戦の場でもある。約7年の中断ののちに再起したその歩みは、巨大プロジェクトの困難と粘り強さの双方を物語る。なお本記事の内容は、建設の進行に応じて更新されうる。
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