EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ジンマオタワー
© Ejdzej(Wikimedia Commons) / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q80813

ジンマオタワー Jin Mao Tower

金茂大厦

上海・浦東の陸家嘴金融区に建つ高さ420.5メートル、88階の超高層ビル。1999年竣工、設計はSOM。中国の伝統的な塔(パゴダ)の段状の形態を引用した意匠で知られる。

FIG. 02 — Location31.2372° N 121.5014° E
中国 上海市 上海
§1 — 概要

概要

金茂大厦(ジンマオタワー)は、中国・上海の浦東新区、陸家嘴金融貿易区に建つ超高層ビルである。高さは420.5メートル、地上88階を数え、1999年の竣工時には中国で最も高い建築物であった。設計はシカゴに本拠を置くスキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル(SOM)が担当した。オフィスと商業施設に加え、53階から上層をグランドハイアット上海が占める複合用途のビルである。「金茂」は「金の繁栄」を意味する。

歴史

1990年代、上海は国際的な金融都市へと急速に変貌しつつあった。浦東の開発を象徴する事業として計画され、建設は1994年に始まった。軟弱な沖積層の地盤に対応するため、千本を超える鋼管杭が地下80メートル余りの岩盤まで打ち込まれた。構造躯体は1997年に最高部へ達し、1999年に全面的に竣工・開業した。竣工当時は、クアラルンプールのペトロナスツインタワーやシカゴのシアーズ(現ウィリス)タワーに次ぐ世界有数の高さを誇った。2008年に隣接する上海環球金融中心が完成するまで、上海で最も高い建築物であり続けた。

建築的特徴

設計を主導したSOMのエイドリアン・スミスは、中国の伝統的な塔(パゴダ)が段状に積み上がる形態を引用した。塔身は上方へ向かうにつれて規則的に後退し、律動的な輪郭を描く。中国で吉数とされる「八」が意匠の基調をなし、88階という階数、八角形の平面、八の倍数による分節などに反映されている。八角形の鉄筋コンクリートの中核を、8本の巨大な合成柱と8本の外周鋼柱が囲む構造で、ガラスと金属、花崗岩によるカーテンウォールが外装を覆う。風や地震に対しては、先進的な制振技術が用いられている。

意義・現在

金茂大厦は、改革開放期の中国における経済的近代化の象徴として受け止められた。装飾を排した国際様式の高層ビルとは異なり、伝統的な意匠を明示的に引用した点で、中国における超高層建築の「第一世代」を画する作品とされる。88階の展望台「スカイウォーク88」や、56階から吹き抜ける円形のアトリウムも知られる。上海環球金融中心、上海中心大厦とともに陸家嘴のスカイラインを構成し、外灘(バンド)から望む上海の景観を代表する存在となっている。

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LAST EDIT — 2026.06.26
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