モスクワ地下鉄カルージュスコ=リシスカヤ線の駅。1974年開業。1960年代の規格柱式駅を発展させ、八角形の柱とより広い柱間隔をもつ。
§1 — 概要概要
カルージュスカヤ駅(Калужская)は、モスクワ地下鉄カルージュスコ=リシスカヤ線(6号線)の駅である。1974年に開業し、駅名はロシアの都市カルーガに由来する。1960年代に量産された百足型の柱式駅を基礎としつつ、柱の形状や間隔に改良を加えた、規格設計の発展形にあたる。
歴史
カルージュスカヤの名は、もともと1964年から路線南端のカルージュスコエ車両基地内に設けられていた仮設駅が用いていた。路線がさらに南のベリャーエヴォへ延伸されるのに伴い、1974年8月12日、仮設駅の西方に新たな本設駅が開業して機能を引き継いだ。設計はニコライ・デムチンスキーとユリヤ・コレスニコワが担当した。両名は同時期の百足型駅を数多く手がけた建築家である。
建築的特徴
本駅は柱三列式の浅層駅だが、1960年代の標準型をいくつかの点で発展させている。通常の角柱に代えて先細りの八角形の柱を用い、柱の間隔を4メートルから6.5メートルへ広げ、天井高も引き上げた。これにより、規格型でありながら従来より開放感のある空間が生まれている。柱はピンク色のバイカル大理石で覆われ、床は灰色の花崗岩で仕上げられる。壁面は白い陶製タイルで仕上げられ、A・レオンチェワとM・シュマコワによる金属製の装飾が添えられている。タイルには立体的な凹凸が与えられ、平板な規格駅から一歩進んだ表現が試みられている。
意義・現在
カルージュスカヤは、徹底した実用主義の時代にあっても、規格の枠内で空間の質を高めようとする工夫が積み重ねられたことを示す。柱の断面や間隔、天井高、タイルの質感といった細部の操作によって、量産型の単調さを和らげている。現在はカルージュスコ=リシスカヤ線の駅として使われ、ボリシャヤ・カリツェヴァヤ線のヴォロンツォフスカヤ駅と乗り換えが可能である。