EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ロンドン・スタジアム
© Arne Müseler / CC BY-SA 3.0 DE
FIG. 01 — Q172190

ロンドン・スタジアム London Stadium

London Stadium

ロンドン東部、クイーン・エリザベス・オリンピック・パークに建つ多目的競技場。2012年ロンドン五輪の主競技場として建てられ、鉄骨を抑えた軽量設計と取り外し可能な上層席を特徴とする。改修を経て2016年からウェストハム・ユナイテッドの本拠地となった。

FIG. 02 — Location51.5386° N 0.0164° W
イギリス グレーター・ロンドン ロンドン
§1 — 概要

概要

ロンドン・スタジアム(London Stadium)は、ロンドン東部ストラトフォードのクイーン・エリザベス・オリンピック・パークに建つ多目的競技場である。2012年のロンドン・オリンピックおよびパラリンピックの主競技場として、スポーツ施設を数多く手がける建築事務所ポピュラスの設計により建てられた。鉄骨の使用量を大きく切り詰めた軽量な構造と、大会後に縮小できる取り外し可能な上層スタンドを特徴とする。五輪後の改修を経て、2016年からはプレミアリーグのウェストハム・ユナイテッドの本拠地となっている。

歴史

建設は2008年5月、敷地の整地と観客席ボウルの掘削を終えて始まった。構造設計はビューロ・ハッポルドが担い、施工はサー・ロバート・マカルパインが請け負っている。本体は2011年3月に完成し、同年10月に陸上トラックが敷設された。2012年の五輪では収容8万人の主競技場として、開閉会式と陸上競技の舞台となる。大会後の利用先をめぐっては入札が二転三転したが、最終的にウェストハム・ユナイテッドが長期の賃借人に選ばれた。2013年から大規模な改修が始まり、新たな屋根の架設や可動式スタンドの導入を経て、2016年に「ロンドン・スタジアム」として再開場した。

建築的特徴

設計の核心は、徹底した軽量化と、大会後の転用を見据えた可変性にあった。下層の常設スタンド(約2万5千席)は土地の自然な傾斜とコンクリート製の段床を生かして築かれ、その上に鋼材を組んだ取り外し可能な上層スタンドを載せることで、五輪時の8万人収容を実現した。投じられた鉄骨は約1万700トンで、北京の国家体育場の四分の一以下にとどまる。屋根はケーブルで吊った軽量な膜構造が観客席の上を覆う構成をとり、北海の天然ガス管の余剰パイプを圧縮トラスに転用するなど、資材の節約も図られた。2016年の改修では既存の鉄骨を再利用しつつ新たな大屋根が架けられ、無柱で観客席を覆う屋根の規模としては世界最大級となった。

意義・現在

ロンドン・スタジアムは、巨大なスポーツ施設を一過性の遺物に終わらせず、解体・縮小・転用を前提に設計するという「レガシー(遺産)」の思想を体現した建物として知られる。当初は陸上競技場として構想されながら、サッカー専用への改修を望む声との間で、用途や費用をめぐる論争が長く続いた経緯ももつ。現在はウェストハム・ユナイテッドの試合を中心に、陸上の国際大会や大規模なコンサートにも使われ、収容はサッカー時で約6万2千、コンサート時で最大8万に及ぶ。近年は屋根への太陽光発電パネルの設置など、環境面での更新も進められている。

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データ: Wikidata (Q172190) / 画像: © Arne Müseler / CC BY-SA 3.0 DE — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.06.22
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