マディソン・スクエア・ガーデン Madison Square Garden
ニューヨーク、マンハッタンのペンシルベニア駅上空に建つ円形の屋内アリーナ。1968年開業、チャールズ・ラックマンの設計で、NBAニックスとNHLレンジャースの本拠地として「世界一有名なアリーナ」と称される。
§1 — 概要概要
マディソン・スクエア・ガーデンは、アメリカ合衆国ニューヨーク市マンハッタンのミッドタウンに位置する円形の屋内アリーナである。ペンシルベニア駅の真上に建ち、1968年に開業した。NBAのニューヨーク・ニックスおよびNHLのニューヨーク・レンジャースの本拠地であり、コンサートやボクシングをはじめとする数多くの興行の舞台として知られ、「世界で最も有名なアリーナ(The World's Most Famous Arena)」と称される。現在の建物は、同名を冠する施設としては4代目にあたる。
歴史
「マディソン・スクエア・ガーデン」の名は、19世紀にマディソン・スクエア(マディソン街25丁目付近)に存在した初代・2代目の興行場に由来する。3代目は1925年に8番街へ移転して建設された。現在の4代目は、マッキム・ミード・アンド・ホワイトの設計による壮麗な旧ペンシルベニア駅を取り壊した跡地に、駅機能を地下化したうえで建設された。1963年に始まったこの名建築の解体は大きな反対運動を呼び、ニューヨーク市の歴史的建造物保存制度(ランドマーク保存委員会)創設の契機となったことで知られる。建物自体は1964年に着工し、1968年2月11日に開業した。1991年にはエラビー・ベケットの設計による大規模改修が、2011年から2013年にかけてはさらなる全面改修が施された。
建築的特徴
設計はチャールズ・ラックマン・アソシエイツが手がけた。最大の特徴は、直径の大きな円筒形(ドラム状)の本体と、それを覆うケーブルで吊られた円形の屋根である。構造設計を担当したセヴラッド・アソシエイツによるこのケーブル吊り屋根は、内部に柱を設けることなく広大な無柱空間を実現した。外周はプレキャストコンクリートのパネルによって構成される。稼働中の鉄道駅の上空に大規模なアリーナを成立させた点は、20世紀後半の構造技術の到達点を示すものといえる。
意義・現在
旧ペンシルベニア駅の喪失は、アメリカにおける歴史的建造物保存運動の出発点として、象徴的な意味を持ち続けている。一方でマディソン・スクエア・ガーデンそのものは、スポーツと音楽の殿堂として半世紀以上にわたり機能し、世界有数の集客を誇る音楽興行会場でもある。ニューヨークを代表する施設の一つとして、その存在感は今日も揺るがない。