国立マキシー21世紀美術館 MAXXI
ローマ・フラミニオ地区に建つ、イタリア初の現代美術・建築の国立美術館。ザハ・ハディドの設計により、流動する曲線とコンクリートの管状空間が交錯する、現代建築の代表作である。
§1 — 概要概要
MAXXI(国立21世紀美術館、Museo nazionale delle arti del XXI secolo)は、ローマ北部フラミニオ地区に建つ、現代美術と建築を専門とするイタリア初の国立美術館である。イラク出身でのちに英国で活動した建築家ザハ・ハディドの設計になり、2010年の開館以降、ローマの古典的な都市景観のなかに置かれた前衛建築として注目を集めてきた。建物自体が一個の彫刻的作品とみなされ、同年の英国王立建築家協会スターリング賞を受賞している。
歴史
建設地は、もと陸軍兵舎カゼルマ・モンテッロの跡地である。1998年に行われた国際設計競技で、278点の応募のなかからハディド案が選ばれた。当初案は五つの独立した建築から構成されていたが、最終的に実現したのはそのうちの一棟である。コンペののち2000年前後に着工したものの、複雑な形状と工法ゆえに工期は長期化し、建物の竣工は2009年、美術館としての正式な開館は2010年春であった。構想から完成までおよそ十年を要したことになる。
建築的特徴
MAXXIは、展示室を「容器」としてではなく、流れと経路の集合体として構想した点に特色がある。打放しコンクリートの湾曲する壁が幾筋もの管状の空間を生み、来館者は分岐し交差する動線のなかを巡り歩く。空間は明確な仕切りをもたず、相互に連続して重なり合い、ガラス屋根から差し込む自然光がこれを満たす。外部では、地上から持ち上げられた量塊がカンチレバーとして大きく張り出し、その下に歩行者用の広場が開かれる。曲線を基調とする自由曲面の構成は、ハディドがパラメトリック・デザインと呼んだ設計思想の初期の到達点とされる。
意義・現在
MAXXIは、古代・バロックの遺産に覆われたローマにあって、現代建築の国家的な記念碑となった。その流動的な空間は美術館建築の常識を問い直し、ハディドの代表作の一つに数えられる。一方、鉄筋コンクリート造の現代建築に特有の早期劣化が課題となり、近年は外装表面の保存修復が行われた。常設・企画の両展示に加え、講堂や図書室を備えた複合文化施設として、現在もローマの現代文化の拠点であり続けている。
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Related※ 現存する現代建築であり、イタリアではパノラマの自由が認められていない(建築意匠の著作権が存続する)。掲載画像はCC BY-SA 4.0に基づき、撮影者クレジットを付して掲載している。