ムボンベラ・スタジアム Mbombela Stadium
南アフリカ・ムプマランガ州のサッカー/ラグビー兼用競技場。2010年FIFAワールドカップのために建設され、キリンを象った18本の支柱とシマウマ模様の座席で、近隣のクルーガー国立公園の自然を表現する。
§1 — 概要概要
ムボンベラ・スタジアム(Mbombela Stadium)は、南アフリカ共和国ムプマランガ州のムボンベラ(旧ネルスプロイト)郊外に立つ、サッカーとラグビーの兼用競技場である。2010年のFIFAワールドカップに合わせて新設された5つの会場の一つで、約43,500席を有する。州内最大の競技場であり、現在はサッカーのTSギャラクシーやラグビーのプーマズが本拠とする。
歴史
2004年に南アフリカがワールドカップ開催権を得たのち、市街の西約6キロの未開発地に建設用地が選ばれた。設計はケープタウンのR&Lアーキテクツが担い、5つの新設会場のうち唯一、南アフリカ国内のみの設計陣による建築となった。2007年に着工し、資材の多くを国産でまかないながら工事が進められ、2009年に完成・開場した。総工費は約10億5千万ランドで、その全額が中央政府の公費によって賄われた。
建築的特徴
設計の主題は、近隣に広がるクルーガー国立公園の自然との呼応にある。屋根を支える18本の四脚の支柱は、群れをなすキリンを抽象化した姿に造形され、客席にはシマウマの縞模様が施された。このため「キリン・スタジアム」の異名でも知られる。観客席は視界を妨げぬようピッチに近接して配され、片持ち構造の屋根が大半の席を覆う。座席と屋根との間に設けた連続する隙間が自然換気を促し、周囲の草原と山並みを切り取って見せる。
意義・現在
ムボンベラ・スタジアムは、機能一辺倒に陥りがちな現代の競技場建築のなかで、立地の風土と生態を造形の主題に据えた点に特色がある。ワールドカップ後はアフリカ・ネイションズカップなどの国際大会にも使われ、地域のスポーツと観光の拠点となっている。南アフリカ建築家協会の表彰を受けるなど、設計の面でも高く評価された。