アラブ首長国連邦のドバイに建つ、未来をテーマとする博物館。2022年に開館した。ショーン・キラの設計で、ドバイ首長の言葉をアラビア書道で記した、窓を兼ねる文字が、環(トーラス)形の銀色の外皮を覆う。緑の丘の上に立ち、その中央には未知の未来を表す空虚が開く。
§1 — 概要概要
アラブ首長国連邦のドバイの金融街に建つ、未来をテーマとする博物館である。建築家ショーン・キラの設計により、2022年に開館した。緑の丘の上に載る、環(トーラス)の形をした銀色の建物で、その表面は、ドバイ首長の言葉を記したアラビア書道で覆われる。書のかたちに穿たれた開口が、そのまま窓となっている。世界でも類を見ない複雑な構造をもつ、ドバイを象徴する建築の一つである。
歴史
博物館は、未来の科学や技術を探る場として、ドバイ未来財団によって計画された。2015年に構想が示され、設計と工事をへて、2022年2月22日に開館した。回文のようなこの日付も、未来への遊び心を映している。
建物は、屋内に柱を一本ももたない。これを可能にしたのは、技術者集団ブロ・ハッポルドとともに、コンピューターのアルゴリズムで「育てた」鋼のダイアグリッド(斜め格子)の構造である。書道のひと文字ひと文字を曲面に正しく載せ、千を超える鋼のパネルへ成形するために、パラメトリック設計が駆使された。
建築的特徴
建物は、三つの要素からなる。土台となる「緑の丘」は、大地と歴史を表す。その上の環状の建物は、人類の創造の力を象徴する。そして環の中央にぽっかりと空いた「空虚」は、まだ知られざる未来を表している。高さはおよそ77メートル、七つの階に展示空間が広がる。外皮の書をかたどった窓は奥行きが深く、その内側に立つこともできる。夜には、文字が光に縁どられて浮かび上がる。
意義・現在
未来博物館は、アラビアの伝統である書の美と、最先端のデジタル設計とを一つに結びつけた建築である。歴史を語る博物館が多いなかで、ここは未来を想像するための場としてつくられた。形そのものが未来への問いかけとなった、現代ドバイの野心を映す一棟である。
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