ニュー・カレッジ (オックスフォード大学) New College
オックスフォード大学を構成するカレッジのひとつ。14世紀末にウィカムのウィリアムが創設し、礼拝堂・大広間・居室を一つの大中庭に統合した。後世のカレッジ建築の規範となった垂直式ゴシックの代表作である。
§1 — 概要概要・位置づけ
ニュー・カレッジ(New College、正式にはオックスフォードの聖マリア・カレッジ)は、イングランドのオックスフォード大学を構成するカレッジのひとつである。14世紀末、ウィンチェスター司教ウィカムのウィリアムによって創設された。礼拝堂・大広間・図書室・学寮を一つの大きな中庭(クアドラングル)のまわりに統合した、計画性の高い構成で知られ、その配置はのちのオックスフォード・ケンブリッジ両大学のカレッジ建築の規範となった。
歴史
創設者ウィカムのウィリアムは、聖職者の教育を志して1379年にこのカレッジを設立した。建設は1380年に礎石が据えられて始まり、1386年には最初の学寮に学生たちが移り住んだ。設計を担ったのは、当時イングランドを代表する棟梁ウィリアム・ウィンフォードである。ウィリアムは同じ創設者のもとでウィンチェスター・カレッジの設計も手がけており、両校はあわせて、貧しくとも有能な生徒を体系的に育てる教育制度の拠点として構想された。以後数世紀にわたり、図書室や鐘塔、庭園などが順次加えられ、中世以来の中核を保ちながら拡張を重ねてきた。
建築的特徴
カレッジの中心をなすのは「グレート・クアッド」と呼ばれる大中庭で、四方を礼拝堂、大広間、学寮、学長室が囲む。礼拝堂と大広間を一列に連ねて中庭の一辺とする手法は、限られた敷地に共同体の機能を秩序立てて収める工夫であった。建築様式は垂直式ゴシックで、垂直線を強調した窓割りと簡潔で力強い輪郭を特徴とする。T字形の平面をもつ礼拝堂の内部は高い天井と大きな窓で構成され、中世の彫像やステンドグラスを今に伝える。回廊と鐘塔も中世以来の姿をとどめている。
意義・現在
ニュー・カレッジは、ばらばらに置かれがちだったカレッジの諸機能を一つの中庭建築へまとめ上げた最初期の例として、英国の大学建築史において重要な位置を占める。その明快な構成は、後続のカレッジが繰り返し参照する模範となった。現在もオックスフォード大学の現役のカレッジとして教育と研究の場でありつづけ、礼拝堂や中庭は一般にも公開されている。建物群はイングランドの指定建造物(グレードI)に登録されている。