ミュンヘン新市庁舎 New Town Hall
ミュンヘンのマリエン広場に建つ新市庁舎。1867年から1909年にかけて三期に分けて建設されたネオゴシック建築で、建築家ゲオルク・フォン・ハウベリッサーが設計した。塔の仕掛け時計(グロッケンシュピール)で知られる。
§1 — 概要概要
新市庁舎(Neues Rathaus)は、ドイツ南部ミュンヘンの中心、マリエン広場の北側に建つ市庁舎である。19世紀後半に、急成長する都市の行政を収めるために建てられたネオゴシック(ゴシック・リヴァイヴァル)の大建築で、中世を思わせる華麗な外観から、しばしば実際よりずっと古い建物と誤解される。塔の仕掛け時計(グロッケンシュピール)とともに、ミュンヘンを代表する景観のひとつとなっている。
歴史
19世紀半ば、ミュンヘンの人口増加にともない、旧市庁舎では手狭になった行政機能を移すため、新たな庁舎の建設が決まった。設計競技に勝ったのは、当時24歳の若い建築家ゲオルク・フォン・ハウベリッサーである。工事は1867年に始まり、東側部分(第1期、1867〜1874年)、続いて拡張部(第2期、1889〜1892年)、そして塔を含む西側部分(第3期、1898〜1905年)と三期に分けて進められ、仕掛け時計の本格稼働をもって1909年に全体が完成した。設計から完成まで、ハウベリッサーは40年以上にわたって一貫してこの事業を統括した。
建築的特徴
外観は、尖頭アーチや小尖塔、繊細なトレーサリーを多用したネオゴシックで、ファサードにはバイエルンの君主や聖人、寓意像など100体を超える彫像が並ぶ。意匠はブリュッセルやウィーンの市庁舎を範としたとされ、とりわけ高さ約85メートルの塔は、ブリュッセル市庁舎の塔に想を得ている。塔に組み込まれた仕掛け時計は、計32体の人形が16世紀の婚礼や踊りの場面を演じるもので、毎日定刻に動く。
意義・現在
新市庁舎は、歴史主義の時代に、市民社会の繁栄と都市の威信を中世への憧憬に託して表現した建築である。第二次世界大戦の空襲で被害を受けたが修復され、現在も市長と市議会、市の行政の中枢が置かれている。塔は展望台として一般に開放され、マリエン広場の仕掛け時計の上演は世界中から訪れる人々を集めている。