ニューヨーク・マンハッタンのペンシルベニア駅に隣接して建つ、地上57階・高さ229メートルのオフィスビル。設計事務所カーン・アンド・ジェイコブズによるインターナショナル・スタイルの作品で、1972年に竣工した。現在はペン1(Penn 1)と呼ばれる。
§1 — 概要概要
ワン・ペン・プラザ(One Penn Plaza、現ペン1)は、アメリカのニューヨーク市マンハッタン区ミッドタウンに建つ、地上57階・高さ229メートルのオフィス超高層ビルである。ペンシルベニア駅とマディソン・スクエア・ガーデンに隣接し、ペンシルベニア・プラザと呼ばれる複合街区の中で最も高い。設計事務所カーン・アンド・ジェイコブズによる、鉄骨造のインターナショナル・スタイルの建築で、1972年に竣工した。
歴史
このビルは、1963年に取り壊された旧ペンシルベニア駅の跡地を含む、ペンシルベニア・プラザ再開発の一環として計画された。壮麗な旧駅舎の解体は大きな反発を呼び、アメリカにおける歴史的建造物保存運動が高まる契機となった。新たなビルは、地下の鉄道施設の上空利用権(エア・ライツ)を活用して建てられ、開発はハリー・ヘルムズリーらの事業体が手がけた。1970年に着工し、稼働中の駅の上で工事を進めるという困難をともないながら、1971年に最高部に達し、1972年に完成した。21世紀に入ってからは改修が重ねられ、2021年までに「ペン1」へと改称された。
建築的特徴
鉄骨と鉄筋コンクリートの床版による骨組構造をとり、外壁は構造を支えないカーテンウォールである。灰色がかったソーラーガラスと、陽極酸化処理を施したアルミニウムの方立が、垂直の線を強調する幾何学的なリズムを生み出している。塔身は7階・14階・55階の三段で後退(セットバック)し、上部に向かって絞り込まれる。内部は44基のエレベーターを7群に分けて配し、地下では一街区南のペンシルベニア駅の長島鉄道コンコースと直結する。西側には噴水を備えた広場が設けられ、突風時の水の飛散を防ぐため、冬は蒸気、夏は霧を噴き出す工夫がなされている。
意義・現在
ワン・ペン・プラザは、20世紀半ばのアメリカで超高層オフィスビルの定型となったインターナショナル・スタイルを、ニューヨークの中心で体現する一棟である。装飾を排した機能的な構成と、ガラスと金属による軽快な外皮は、同時代の商業建築の典型を示している。一方で、その建設の前提となった旧ペンシルベニア駅の喪失は、近代以降の都市が抱える保存と開発の緊張を、今に伝える出来事でもある。現在も大規模なオフィスビルとして使われ、近年の改修を経て利用が続いている。
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